木暮祐一のeSIM奮闘記
2023年9月4日

香港・中国出張に中国移動香港のeSIMをセレクト

 

先日、香港および香港に接する中国広東省深セン市に出張することになりました。手持ちのiPhoneをそのまま国際ローミングで使うこともできますが、とくにデータ通信は高額になってしまいます。たとえばソフトバンクの場合は「海外あんしん定額」を申し込むことで、海外でもデータ通信を無制限で利用可能ですが、980円/24時間の利用料が必要です。5日間の渡航で4,900円を支払う必要があります。であれば、現地通信事業者のプリペイドSIMを使うほうが断然お得、しかもeSIMならばオンラインで申し込んで直ちに使うことができます。なんて便利な時代になったのでしょう!

①あえてメジャー通信事業者のeSIMをセレクト

日本で格安で使えるMVNOが浸透してきて、すでに利用されているユーザーも少なくはないと思いますが、通信速度などを体感すると必ずしも安ければよいわけではないことにお気づきのことと思います。

今回の渡航にあたり香港や中国で利用可能なプリペイドeSIMを検索したところ色々なブランド(大半はMVNO)のサービスを見つけることができました。

今回の出張ではPCを接続してのテザリングや動画送受信など、かなりの容量のデータ通信が想定されますし、安定した通信が可能なサービスをセレクトしておきたいところです。ですのでMVNO系は避けて、メジャーなキャリアのプリペイドeSIMをセレクトすることとして香港在住携帯電話研究家である山根康宏さんに相談してみました。山根さんのアドバイスでは、お勧めは中国移動香港の「CMLink」が良いとのことで、早速契約してeSIMをiPhoneに設定してみました。

 

今回の出張のお供は中国移動香港のCMLink。 https://global.cmlink.com/?LT=en 

ちなみに香港にもCSLなど多数の通信事業者(MNO)が存在しますが、今回は香港だけでなく中国にも入るので、中国での利用を想定して中国移動香港を勧めてくださいました。中国移動というのは中国でメジャーな通信事業者(MNO)の一つになります。ただし中国本土の事業者ではなく、中国移動香港という香港側の事業者であるところがポイントになります。

後述しますが、中国国内では検閲などの目的でたびたびネットワークに制限がかかります。我々外国人が中国以外のインターネットサービスを自由に利用するためには、中国本土の通信事業者を避けたほうが良いのです。

さっそく、CMLinkのウェブページを見てみましょう。各国向けのデータ通信プランが用意されています。

 

CMLinkの各国向けサービス

今回は香港・中国での利用を想定していますので、Chinaをクリックし、自分の利用形態にあったプランを探します。

 

中国向けのプラン一覧。「Mainland」というのが中国で利用可能なサービスということです

前述のとおり、今回は仕事での渡航でかなりのデータ通信の利用が見込まれます。CMLinkが提供する中国向けプランは8日間または30日間用のどちらかをセレクトできるようです。5日間の渡航なので8日間のプランから検討します。1日上限2GBの通信が可能なプランが19.78米ドル(約2,880円)で利用可能なようです。筆者はこれをセレクトすることにしました。

②CMLinkのeSIMをiPhoneに設定する

では早速、iPhoneにインストールしましょう。筆者は念のため現地渡航前に設定を完了させ、現地着陸後ただちに利用できるよう準備しました。

eSIMの申込にあたっては、PCのウェブからも申込可能ですが、パスポートのアップロードを伴う実名認証という作業があるため、撮影して直ちにアップロードできるスマホのサイトからの申込のほうが手間がかからなそうです。以下、iPhoneのウェブサイトからの申込手順を示します。

まずはCMLinkのユーザー登録を済ませます。これはPCからやってしまってもよいでしょう。ユーザー登録後、そのID、パスワードを使ってログインしてからeSIMの購入手続きに進んでいきます。

 

iPhoneでCMLinkのサイトに飛び、まずはログインし、利用したいプランに進んでいきます

 

続いてReal Name(実名登録)の登録です。ここではパスポートなどの国際的に通用する身分証明書のアップロードが必要になります

 

利用したいプランを選択し、カートに入れます

 

続いてSIMの種類を選びますが、ここで「ESIM」を選択します。クレジットカードで決済して購入完了

 

購入が完了すると、CMLinkからeSIMのインストールに必要なQRコードがメールで直ちに送らてきます。そのメールのQRコードを開いて、iPhoneへのeSIMのインストールに進みます。なお、すでにeSIMがインストール済みの場合でも、新たにeSIMを追加することが可能で、インストールされた複数のeSIMからどの回線を利用するか選択できますのでご安心を。

 

このあたりの手順は過去の連載にてたびたび説明済みですが、「設定」→「モバイル通信」→「eSIMの追加」で進めていきます。そして「QRコードを使用」をセレクトしてeSIMを追加します

 

QRコードが添付されているメールを、eSIMを設定するiPhone以外のPCやスマホで表示させ、読み込ませる必要があります。QRコードは1度限りしか使えないようですので、ここは慎重に

 

QRコードをスキャンし、画面に従って設定を完了します。分かりやすいように適宜eSIMの名称を変更することもできます。ここでは「中国移動香港」と名付けてみました

 

そしてどの回線をモバイルデータ通信で利用するか選択する必要があります。これは現地到着後、直ちにこの設定を変更し、インストールしたeSIMに切り替えます。またCMLinkは香港の通信事業者なので、香港エリア内では「データローミング」はOFFで利用可能ですが、中国側に入ると「データローミング」をONにする必要があります

 

現地でつかんでいるネットワーク表示です。左は香港でのスクショです。CMLinkでLTE接続されていることが分かります。右は中国本土でのスクショです

③まとめ、事前準備をお忘れなく

世界のハブと言える香港は、昔から海外に出かける機会も多かったでしょうから、90年代から街中で渡航用のプリペイドSIMカードがたくさん売られていました。今回も街中を散策したところ、たくさんのプリペイドSIMを販売する露店を見かけました。世界の人たちは、このように「自分の利用に最適な通信回線を必要に応じて選択する」ということが当たり前なのです。

 

露店でSIMカードが手軽に購入できる香港

しかし、こうした露店まで行く必要もなく、ウェブにアクセスして自分のスマホに通信回線をインストールできてしまう「eSIM」って、なんて便利な時代になったのでしょう!

ところで、国民向けにさまざまな情報統制を行っている中国では、たとえばGoogleやFacebookといった私たちに日常的なサービスでさえも、アクセスが遮断されていたりします。実際に、中国で宿泊したホテルのWi-Fiからインターネット接続すると、Googleのサイトにアクセスができません。日常的にGmailや、GoogleWorkspaceを業務で利用している筆者はお手上げです。だからこそ、自身が確実にインターネットを利用するために、最適な通信手段を自前で用意していく必要があるのです。

 

中国にて、ホテルのWi-Fiを使うとGoogleの画面が表示不可能です

今回は、香港の通信事業者である中国移動香港のプリペイドeSIMを利用したことで、中国国内でも自在にGoogleやYouTubeにアクセスでき、現地のレポートをリアルタイムに配信することができました。渡航先の国や地域によってインターネット利用事情は様々です。渡航前に、しっかりリサーチして事前準備をしてから入国することをお勧めします。そしてeSIMならネットさえつながればインストールできるので本当に便利ですよ!

 

中国では無人運転タクシーもすでに走っていて、その試乗レポートをCMLinkの回線を通じて現地からYouTubeでリアルタイム配信できました

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