低価格ながら200Mbpsと速度に満足、Pingweの中国eSIMを上海でテスト
海外渡航先のうち現地でプリペイドSIMが買いにくい中国。過去にも何度かグローバルeSIMプロバイダの製品を試していますが、今回は1GBあたり100円以下という低価格で使うことのできた、PingweのeSIMをテストしました。なおスマートフォンは日本販売のiPhone 12 miniを使っています。
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1GBあたり60円と低価格なPingwe
Pingweはネットで検索してみつかった中国向けeSIMの中から、10GB以上の製品を比べて比較的安価なことから選びました。今回は実際に上海のホテルのネットが不調で高容量が必要であり、10GBまたは20GBのeSIMを探していたのです。
Pingwe
中国eSIMは1GBから20GBまで5プラン。このうち10GBは5.3ドルなので1GBあたり0.53ドル(約80円)、20GBは8.99ドルであり1GBあたり0.45ドル(約60円)と割安です。ただし低価格なeSIMは速度が出ないこともあるためやや心配な点もあります。とはいえホテルでの仕事でファイルのアップロードも大量にあるため、今回は20GBプランを買ってみました。
中国eSIMの4プラン
アプリ無し、3ステップで簡単購入
Pingweはアプリが無いため、ブラウザから購入する必要があります。スマートフォンをWi-Fiに接続してPingweのWEBサイトにアクセス。検索窓からChinaと入力すると上記5つのプランが出てくるので、そこから20GBを選びました。
ブラウザでアクセス、20GBプランを選択
Buy Nowをタップして支払いに進みます。確認画面が表示され、次のページではApple PayまたはGoogle Payなら即座に支払いが完了できます。今回は下にスクロールしてクレジットカードで購入しました。購入が完了するとオーダー内容画面となります。なおこの時点で自動的にアカウントが作成されるのですが、後からアカウントページにアクセスしてログインしても、データ残量を見ることは出来ませんでした。アカウントに関しては特に必要性は無さそうです。
AppleかGoogle Payなら3ステップで購入できる。今回はクレジットカードを使った
購入後はすぐにメールでQRコードが届きます。ただし今回は「ユーザー登録完了」「購入完了」のメールは届いたにもかかわらず、肝心のQRコードのメールだけが迷惑メールに届いており、気が付くのが遅くなりました。メールを開けばQRコードや手動インストール情報が記載されており、そのままインストールが可能です。
メールにあるQRコードからインストールを進める
インストール中に「CMHKのeSIM」という表示が出ます。eSIMプロバイダがよく使う、中国移動香港の回線をこのPingweも使用しているわけです。インストール終了後はeSIM名がわかりにくいので適当にリネームし(今回はPingwee)、Wi-FiをOFFにします。続けてデータローミングをONにすれば、無事アンテナピクトの横に5Gまたは4Gの表示がされます。
CMHK回線のeSIMがインストールされた
低価格ながら200Mbpsも記録、安定した回線
さっそく上海市内数か所で使ってみましたが、地下街など一部のエリアを除いて5Gの表示のままでした。記事トップの写真は繁華街の南京東路ですが、他の場所も含めて100から200Mbpsを記録。ストレスなく使うことができました。下の写真は観光客の多い豫園ですが、242Mbpsと人の多さを感じさせない速度で利用できました。
有名な観光地、豫園にて
南京東路のホテルの9階の部屋でも100Mbpsと速く、仕事にストレスを与えることなく回線を利用することができました。上りが2Mbpsと遅い点はやや気になりましたが、それでもホテルの回線(1Mbps以下)に比べれば満足できる結果でした。データ残量のチェックがアプリでできない点がやや不満とはいえ、20GBあれば2週間程度の長期滞在でも十分カバーできるでしょう。PingweのeSIMは価格を考えると回線品質に十分満足できる製品でした。
ホテル内でも下りは高速
香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。