もはやデジカメな高性能カメラスマホ、シャオミ「Xiaomi 15 Ultra」をチェック
シャオミは3月2日に新製品発表会を開催し「Xiaomi 15 Ultra」を発表しました。シャオミのUltraシリーズは高性能なカメラを搭載したスマートフォンですが、Xiaomi 15 Ultraはデジカメのような外観と使い勝手を提供するカメラキットも販売されるなど、カメラとして使うことを重視した製品です。日本での販売も決まっています。
目次
スマホとしても高性能なフラッグシップモデル
Xiaomi 15 UltraはチップセットにQualcommのSnapdragon 8 Eliteを搭載するハイスペックなモデルです。各社のAndroidスマートフォンのフラッグシップモデルが採用しているチップセットでもあり、AI処理なども含め現時点で最高の性能を誇ります。ディスプレイは6.73インチ、画面の明るさを表す輝度の数値は3200nitsとかなりの高輝度であり、屋外でも表示が見にくいといったことはありません。
高性能なスマートフォン
背面は4つのカメラを円形のベゼルの中に配置したデザイン。シルバークロームモデルは銀と黒のツートンカラーで、カメラのような外観に仕上げています。カメラは広角が5000万画素、望遠が3倍の5000万画素、4.7倍の2億画素と2つを搭載。超広角カメラも5000万画素と高画質であり、日本で発売されるスマートフォンの中でも間違いなくトップクラスの性能を誇ります。バッテリーは5410mAhで90Wの急速充電に対応、ワイヤレスでも80Wと高速な充電が可能です。
デジカメのようなデザインだ
カメラにはライカのロゴが誇らしげにプリントされています。シャオミはカメラに関してライカと協業しており、より自然に近い色合いでの撮影も可能にしています。また本体右上にある「Ultra」のプレートはこの製品が最上位のスマートフォンであることを表すと共に、シャオミの高性能なスポーツカー「SU7 Ultra」と同じロゴを採用しています。
ライカのカメラを搭載
ちなみにこちらがSU7 Ultra。Xiaomi 15 Ultraと同時にグローバル向けに発表されました。シャオミが電気自動車(EV)に参入したのは2024年4月ですが、1年もたたないうちにスポーツタイプのEVも市場に投入しているのです。
シャオミのスポーツカー「SU7 Ultra」
なお本体のカラバリは他にホワイトとブラックがあります。この両色にはUltraのプレートはついていません。
3つのカラバリ
eSIM対応、日本でも発売
Xiaomi 15 Ultraは日本でも発売されます。前モデル「Xiaomi 14 Ultra」は約20万円の価格ながら、高性能スマートフォンを求める層だけではなく、カメラにこだわる消費者にかなり売れたそうです。ライカのカメラを普段使っている人がライカロゴの入ったスマートフォンを購入する例も多く見られます。なおeSIMにももちろん対応しているので、オンラインでSIMを自在に購入することが可能です。
eSIMに対応
Xiaomi 15 Ultraの発表会はスペイン・バルセロナで行われました。端末の詳細を見ると展示モデルには日本の技適マークもあります。グローバル向けと日本向けは同じ製品であり、全世界共通モデルを出してるのです。
グローバルモデルに技適を発見
デジカメスタイルにするカメラキット
Xiaomi 15 Ultraの魅力は本体性能だけではなく、別売(一部国では製品に同梱)されるカメラキット。カバーとグリップの2パーツ構成で、組み合わせるとXiaomi 15 Ultraの外観をデジカメにしてしまいます。
Xiaomi 15 Ultraがデジカメになるカメラキット
前モデルにもカメラキットはありましたが、Xiaomi 15 Ultraのものはツートンカラーになりデザイン性を高めました。またグリップとケースがはずれにくくなるように、クリップ状のパーツをネジ止めできるようになっています。このクリップは本体を横向きに持った時に親指が当たり、カメラキット全体を持ちやすくしてくれます。そしてここにも「Ultra」のロゴが入っています。
クリップがあるのでより持ちやすい
カメラベゼル部分は右下のボタンを押すとリングが外れます。ここは67mmのネジが切ってあるので、市販のカメラレンズ用の同サイズのフィルターを装着できます。Xiaomi 15 Ultraはスマートフォンですから様々な撮影効果をデジタル処理で行えますが、反射を抑えるフィルターや光に星状のエフェクトをかけるスターフィルターなども利用できるのです。
67mmのフィルターを装着可能
さらにシャッターボタンもねじ込み式で、カメラキットには2色のボタンが付属します。細かい部分をカスタマイズできるのもカメラキットの楽しさです。
シャッターボタンも交換可能
実際に握ってみましたが、写真や動画を撮るときは圧倒的にカメラキットを使ったほうがホールディングしやすく、撮影も捗ると感じました。使い勝手はカメラそのものであり、Xiaomi 15 Ultraをあえて「カメラだけに使う」というのも十分ありでしょう。
使い勝手はカメラそのものだ
ライカ風の写真が撮れる
Xiaomi 15 Ultraのカメラアプリのユーザーインターフェースは直感的であり、片側にモードや倍率の切り替え、右側は矢印アイコンをタップするとクイック設定を開くことができます。
カメラのUI
望遠は最大120倍に対応。実際に使ってみましたが120倍ですとかなり輪郭がぼけてしまいますが、記録用には十分使えそうです。実用的な倍率は30倍程度と感じられました。
最大120倍のデジタル望遠対応
アプリの右上(横向きに持った時は左上)には「LEICA」と書かれたアイコンがあります。その下に小さく書かれている文字は「Leica Vibrant」と「Leica Authentic」。前者はいわゆるコンピューティショナルフォトグラフィーモードで、AIを使った映える写真を撮影できます。後者はライカモードとも呼ばれるもので、被写体をより忠実な色で表現できます。
ライカモードをタッチで切り替えできる
ところで前モデルのXiaomi 14 Ultraにはスマートフォンのカメラにはあまり採用されていない特殊な機能が搭載されていました。それは可変絞りです。カメラのレンズのように、稼働する絞り羽が搭載されており、それを手動で動かすことでボケの度合いをコントロールできたのです。Xiaomi 15 Ultraではこの可変絞りは廃止され、ボケの調整もAIが自動的に行うようになりました。
可変絞り機能はなくなった
撮影した写真をアナログ風に楽しめるのもXiaomi 15 Ultraの魅力です。撮影した写真に貼り付けるウォーターマークもライカを思わせるものになっているのです。
ウォーターマークも凝ったものになっている
スマホを超えた存在のXiaomi 15 Ultra
スマートフォンとしての性能、本体デザイン、カメラキットの存在、カメラ性能などなど、Xiaomi 15 Ultraはどれをとっても申し分の無い仕上がりになっています。ぜひ家電量販店やシャオミがオープンする自社ストアの店舗でXiaomi 15 Ultraを体験してみてください。
2025年の最高のカメラフォンと言える
香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。