山根康宏のワールドeSIMレポート
2024年2月16日

eSIMスマホも多数展示、世界最大のIT展示会「CES 2024」でのeSIMレポート

2024年1月9日から12日まで、アメリカ・ラスベガスでCES 2024が開催されました。世界最大規模を誇るIT関連の展示会で、今回はAIに絡んだ製品やサービスの展示が目立っていました。

またモバイル関連の展示ではスマートフォンの新製品も発表され、eSIMに絡んだ展示も多く見られました。筆者はいくつかのメディアにCES取材記事を執筆しましたが、当eSIM.loveへはeSIM関連の展示をまとめました。

 

①ASUSの「ROG Phone 8」などeSIMスマホが発表

毎年、年明けのスマートフォン新製品は2月にバルセロナで開催されるMWC 2024で数多くの製品が発表されます。またサムスンもCES 2024の翌週にGalaxy S24シリーズを発表しました。

CESはIT関連の総合展示会のため、例年スマートフォンの新製品はあまり多く見られません。ところが2024年のCES 2024ではPCメーカーのASUSがゲーミングスマートフォン「ROG Phone 8」を発表、同社のフラッグシップモデルを他メーカーに先駆けてアナウンスしました。

ASUSのROG Phone 8 Pro

ROG Phone 8はチップセットにクアルコムのSnapdragon 8 Gen 3を搭載する高性能なスマートフォンです。

ディスプレイサイズは6.78インチで、リフレッシュレート(書き換え速度)も一般的なスマートフォンより高速な165Hz。ゲームだけではなくSNSのタイムラインを高速にスクロールさせても画面表示が止まらず、高速な動きに表示がしっかりと追いついてくれます。

本体内部の冷却性能も高く、高性能なゲームをプレイしていても発熱をすみやかに放熱してくれます。USBケーブルを接続した際はパススルー給電にも対応。バッテリーを充電しないので本体の余計な発熱も防いでくれます。さらに専用のゲームパッド「ROG Tessen Mobile Controller」を使えばポータブルゲーム機のように使えます。

本体性能や画面速度も高パフォーマンス。ゲームパッドも別売

さらに背面に取り付けるクーラー「AeroActive Cooler X」は放熱効果を高めるだけではなく、ゲームボタンも搭載するのでこちらも簡易ゲームパッドとして使うことができます。

製品は2種類あり、ROG Phone 8 Proは背面にドット状の小型表示エリアを搭載、時計や充電状態、通知などをドット絵で表示できます。もう1モデルのROG Phone 8はブランド名の「ROG」のロゴがRGBカラーで点灯します。すでに海外では販売がはじまっており、日本での発売も期待されます。

ゲームボタンを備えるクーラーも販売される

ASUS以外では中堅メーカーが新製品を展示していました。しかしeSIM対応のモデルはありませんでした。

各メーカーに聞くとeSIMへの対応は現時点ではまだ開発コストがかかるということで、価格勝負の製品を投入しているメーカーにとってeSIM搭載はもうしばらく先になりそうです。Blackviewが展示した同社初の折りたたみモデル「Hero 10」など4Gの新製品もいくつか見られましたが、eSIM対応は5Gモデルではないと難しそうです。

中堅メーカーBlackviewの折りたたみモデル Hero 10。残念ながらeSIM非対応

純然たる新製品ではありませんが、モトローラは縦折りスマートフォン razr 40 Ultra の新色であるPeach Fuzzを展示していました。

Peach Fuzzはカラーチャートでおなじみのパントーンが選んだ2024年のトレンドカラーです。日本では同モデルはブラックカラーしか販売されていませんが、2024年モデルとしてこの色を投入してほしいもの。なお展示されていたグローバルモデルはeSIMに対応していました。

razr 40 ultraの新カラー

②eSIM内蔵、全世界で使えるスマホも展示

内蔵のバーチャルSIMにより全世界で使えるモバイルルーターなどを「GlocalMe」ブランドで販売しているeCloudlinkはeSIMに対応したグローバル対応スマートフォンを展示していました。

モバイルルーター同様に、このスマートフォンがあれば世界中どこでも使用可能で、テザリング機能によりモバイルルーターとしても使用できます。

eSIM搭載のグローバル対応スマホ

GlocalMeのルーターが搭載するバーチャルSIM(vSIM)は、サーバー側に複数の物理SIMカードが用意されており、ユーザーが購入したデータプランに応じてSIMカードを切り替えて使います。今回展示されたモデルはその部分をeSIMとすることで、SIMカードの契約(プロファイル)そのものをユーザーが必要に応じて購入できるようにするものになります。

電源を入れてアプリから目的の国を選び、その国対応のeSIMプランを購入するという仕組みです。詳細スペックは不明ですが、eSIM対応ということで5Gのエントリークラスの製品になりそうです。発売日や価格も未定ですが、日本の技適を取得しているので日本での販売もあるかもしれません。

 

日本での発売も期待できそうだ

③スマートウォッチもeSIM搭載、日本でも発売予定

シンガポールのmyFirstは子供向けスマートウオッチの新製品 myFirst Fone R2 を出展しました。一般的な大人向けの製品とは異なり、子供向けのウォッチは親のスマーフォンからGPSで居場所を確認したり、緊急時にビデオ通話をする機能などを搭載します。

myFirst Fone R2も500万画素のカメラを搭載しており、いつでも親のスマートフォンとビデオ通話したり、写真撮影をして友人同士でシェアもできます。

 

子供向けのスマートウォッチ myFirst Fone R2

内蔵eSIMは親のスマートフォンからプランを購入して開通させます。myFirstがMVNOキャリアになっており、世界85か国で使えるeSIMプランを提供しているのです。

eSIMなのでスマートウォッチを落下させてしまっても、誤ってSIMトレイからSIMカードが抜け落ちてしまう心配もありません。

 

親のスマートフォンからeSIMを購入できる

myFirstは実は日本でもすでに4Gスマートウォッチを販売しています。そちらのモデルはnano SIMカードを入れて使います。このmyFirst Fone R2の設定画面を見ると技適を取得しており、こちらのモデルも日本で販売される予定なのでしょう。

 

技適を取得、日本で発売されるようだ

④MVNOキャリアもeSIM対応を進める

CESの会期中はスタートアップや中小企業を集めた大型イベントもホテルなどで開催されました。そこで見つけたのが新興MVNOキャリアの MobileX です。会場では無料で体験SIMカードを配布しており、同社の回線をすぐに使うことができました。

料金プランは2つで、5GBで月額14.88ドルと30GBで月額24.88ドル。どちらも音声通話とSMS、Wi-Fiホットスポットも無料です。またeSIMも提供しているので、アメリカ渡航時にスマートフォンから購入も可能です。親回線はアメリカ最大手のベライゾンワイヤレスなので回線品質もすぐれているとのこと。

 

新興MVNOのMobileX

⑤ラスベガスで買った5GプリペイドスマホがeSIMだった

さて筆者は海外に渡航すると現地で販売されているプリペイドスマートフォン(プリペイドSIMカードとスマートフォンのセット)をよく買います。

今回もラスベガスで大手キャリアT-Mobileのストアを訪問し、モトローラの「moto g 5G」のプリペイドを購入しました。

ラスベガスのT-Mobileストア

moto g 5Gの本体価格は、なんとゼロ、無料です。しかしこれにはからくりがあって、2か月分のプリペイドの基本料金を払う必要があります。

金額は40ドル/月を2か月分、合計80ドルです。このプランでは毎月データ通信は無制限、通話とSMSも無制限で使えます。5G対応スマートフォンが80ドルで買え、ラスベガス滞在の約3週間使い放題と考えると十分お得でしょう。

本体価格は実質無料のmoto g 5G

なおプリペイドの契約はSIMカードではなくeSIMになっていました。これなら店舗側でSIMカードの入れ替えの必要も無く、またスマートフォン単体で契約設定も簡単に行えます。

メーカーから出荷する際もSIMカードをわざわざSIMトレイに入れてセットする手間も省けるのです。オンラインでプランが購入できるeSIMですが、プリペイドスマートフォン向けにも便利なソリューションであるわけです。

プリペイドスマホもeSIMの時代

⑥CES 2024の次はMWC 2024、各社のeSIMスマホに期待

目立った新製品は少なかったものの、CES 2024でもeSIM関連の製品やサービスをいくつか見ることができました。2月末にはバルセロナでMWC 2024が開催され、メジャーメーカーから数多くのスマートフォンが登場します。

eSIM搭載のスマートフォン新製品情報など、次回の取材時に記事化する予定です。

CES 2024翌週に発表されたサムスンのGalaxy S24シリーズについては別記事を参照

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