山根康宏のワールドeSIMレポート
2025年11月21日

10GBに増量!ドバイの無料eSIMを試してみた

中東のドバイでは入国時に無料で物理SIMカードが配布されますが、無料で利用できるeSIMも現地のキャリアが提供開始。しかも10GBと利用分も大幅に増量されました。有効日数は1日だけですが、2社のeSIMを使えば2日使うことも可能です。

ドバイの無料SIMが1GBから10GBに増量

UAEのドバイの空港では入国者に対し入国カウンターで無料のSIMカードの配布を以前から行っていました。通信キャリアは現地のduのもの、容量は1GBで有効期限は1日と、ドバイにちょっと立ちよるユーザーには便利なものでした。しかし1GBではあっという間に使い切ってしまうのも事実です。ところが2025年にはその無料SIMカードのデータ容量が10GBに増量されています。有効期限は相変わらず1日ですが、かなりヘビーな使い方もできます。

イミグレーションでもらえるduの無料10GB SIMカード

ただしドバイの入港カウンターは現在、日本人を含む多くの外国人は自動化ゲートを通るのでこのSIMカードをもらうことができません。しかしそれを気にすることは無いのです。入国後に荷物を受け取り到着ロビーに出てくると、UAE No.1キャリアのe&(Etisalat)が無料で利用できるeSIMの提供を行っています。このeSIMはe&の店舗前に大々的にQRコードが掲げられており、誰でも自由に入手できるのです。

ドバイ空港ターミナル1のe&ショップの店頭

この無料eSIMはデータ容量10GB、有効期限は1日(開通から24時間)です。2日以上使う場合は料金をチャージする必要がありす。ただしドバイの2つのキャリア、e&もduもプリペイドのデータ料金は高めです。そのため1日だけこの無料eSIMを使い、2日目以降も滞在するなら別途eSIMプロバイダのeSIMを買ったほうが安上がりでしょう。

なおドバイのeSIMに関しては過去に記事をいくつか書いているのでそちらも参考にしてください。

ドバイのeSIMはオンラインで買える5G対応eSIMが国内キャリアより安かった
https://esim.love/blog/2024/06/20/2363/

ドバイのeSIM購入はトラップ多数で購入困難、今回は断念
https://esim.love/blog/2023/12/12/1360/

実はこのeSIMはオンラインでも申請できます。ただしスマートフォンのGPSでUAE国内にいないと開通までできない仕様になっていました。オンラインで直接入手する場合もドバイ空港到着後に作業を行うことになるでしょう。

 

空港のQRコードからe&のeSIMをインストール

さっそくe&の店頭にあるQRコードを読み込んでeSIMのインストールを行います。空港には無料Wi-Fiが飛んでいるのであらかじめ接続しておきます。QRコードを読み込みe&のアプリをインストール。インストール後の画面の下にチェックを入れて、一番下の「Get eSIM」をタップ。次の画面ではパスポートを読み込む指示が出ます。

QRコードを読み取りアプリを入れて指示に従う

パスポート読み取り画面のパスポートのイラスト部分の「+」をタップすると、次の画面でカメラか写真からパスポートをアップロードします。カメラにしてその場でパスポートを撮影してもいいのですが、照明がうまくあたらず影ができてしまうことがあったり、人の多い空港内でパスポートを出すのはやや危険なのであらかじめスマートフォンでパスポートの写真を撮影しておき、それをアップロードしたほうがいいと思います。そしてパスポートをアップロードするとその内容が画面に表示されるので、下にメールアドレスを入力し、一番下の「Proceed」をタップします。

パスポート写真をアップロード後、Proceed

次の画面では顔認証を行います。画面一番下の「Open Camera」をタップして進みますが、後ろに人が通るとエラーになってしまいます。そのため壁際を探してそこで顔の認証を行うとよいと思います。画面の指示に顔を動かしたあとは、最終的な認証が行われ、1分程度で無事にeSIMの登録が終わります。あとは「Apple」「Android」好きな方をタップして、eSIMのインストールに進めます。

顔認証後にeSIMが登録された

なお開通後はSMSで通知が届きます。またメールでもeSIMのQRコードが届くので、そちらからもインストール可能です。あとはiPhone、Android、それぞれ通常のeSIM導入手順でインストールすればOKです。この時点から24時間有効となるので、たとえば空港からホテルまでタクシーで移動するなど、途中でデータ通信環境が不要な場合は、ホテルに着いてから開通するなどして、24時間の有効期限を友好的に利用するのがいいかもしれません。

SMSでの開通通知やメールでQRコードも届く

インストール完了後はWi-FiをOFFにすればアンテナピクトが立っているはずです。最初は「H」(HSPA、3G)だったので一度オフラインにして再度オンラインにすると「LTE」に。無料だしLTE接続かと思いきや、そのまますぐに「5G」に切り替わりました。

5Gにつながらない場合は何度かオフラインモードに切り替えてみるといい

 

5Gで快速快適な通信環境

さっそく空港でスピードテスト。無料でどの程度使えるかと危惧しましたが、800Mbpsを軽く超えとても快適でした。ちなみにスピードテストで5Gでこの程度の速度が出ると1GB近いデータを使ってしまいます。なので過去の「1GB無料」では、スピードテストすらできない環境でした。10GBになったことで、気軽にスピードテストを行うことができます。

ドバイ空港ターミナル3の速度

ドバイのダウンタウン、Union駅付近でも700Mbpをオーバー。かなり快適でした。ドバイメトロの地下の駅構内でLTEに落ちることもありましたが、50Mbps前後と十分な速度でした。

ダウンタウンでの速度

今回は夜にドバイに到着。19時ころ開通させ、そのままホテルまで移動中もデータ通信を利用。ホテルのWi-Fiがやや遅かったため、ホテルで深夜2時ころまで活用しました。翌朝は8時に起きて展示会会場へ行き、日中は適時通信。そして夜はちょうど19時ころにホテルに戻ったので、その日は1日外出中に有意義に使うことができました。24時間しか使えないので、到着時間によってはホテルで開通させたり、ホテルに宿泊した翌朝から使う、など頭を悩ませるところです。

 

実はduも無料eSIMを配布中

e&の便利な無料eSIMに対して、実はduも無料eSIMを提供しています。まず冒頭に上げた無料SIMカードの写真を見ると、右側に「Scan eSIM」の表記とQRコードがあります。ここからeSIMを入手できるのです。但しこれを使うには、入国審査時にこのSIMカードをもらわなくてはならないのですが、自動化ゲートを使うともらえません。でも大丈夫、別の方法があります。

先ほどの無料SIMカードパッケージにeSIMインストールのQRコードがある

到着ロビーにはe&の店舗の他、この無料SIMを提供するduの店舗があります。

ターミナル3のduのストア

ややわかりにくいのですが、一番左側の広告がツーリスト向け無料SIMの案内で、そこに無料eSIM入手のためのQRコードがあります・

duも無料eSIMを簡単に入手可能

こちらも使えば、e&と合わせて24時間x2つのeSIMをゲットできます。うまく運用すれば2泊3日を無料でカバーできるかもしれませんね。ドバイに行く予定のある人は、ぜひ試してみてください。

 

最新の投稿

連載特集

  • 木暮祐一のeSIM奮闘記
  • 山根康宏のワールドeSIMレポート

タグ