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2025年10月28日

ついに中国でeSIMが解禁、iPhone Airが中国当局を動かした

じつはこれまで、中国ではeSIMの利用が規制されていました。このため中国で販売されるiPhoneは物理SIMが2枚挿入できる中国特有の仕様で販売されていたのですが、eSIM専用となったiPhone Airの登場で、中国当局がついに動きました。

チャイナ・モバイル、チャイナ・テレコム、チャイナ・ユニコムの中国大手3大通信キャリアがこのほど、中国の工業情報化部からeSIMスマートフォンの商用利用について正式に許可し、これによりeSIM携帯事業が中国本土の31省・自治区・直轄市で同時にeSIMの利用が解禁されました。

Appleが9月に発表した「iPhone Air」はeSIMのみ対応だったのですが、今回中国当局がeSIMを正式に認可したことで、中国市場でも正規に発売されることとなりました。AppleのCEOであるティム・クック氏は10月13日、「iPhone Airは来週、中国で正式に発売される。10月17日から予約受付を開始する」と中国のSNS「Weibo」で明らかにしていました。

中国のAppleの公式サイトによると、iPhone Airの販売価格は256GBモデルが7,999元(約170,940円)、512GBモデルが9,999元(約213,700円)、1TBモデルが11,999元(約256,430円)となっています。ちなみに日本でApple公式サイトから購入する場合は256GBモデルが159,800円、512GBモデルが194,800円、1TBモデルが229,800円ですので、日本より少々お高めですね。(為替レートは10月28日現在)
チャイナ・モバイルのウェブサイトを確認したところ、eSIMながら契約や変更手続きはすべて店舗での手続きとなります。アプリからオンライン予約して指定店舗で手続きする形です。オンラインでのeSIMの契約はできず、必ず店頭で手続きが必要となっています。中国国内では他のキャリアも同様のようです。

また、eSIMが利用可能な端末は、中国国内で販売された端末に限るとしています。すなわち中国国外で販売されたeSIM対応端末では、中国の通信キャリアのeSIMは利用できないものとなっています。eSIM契約時に、IMEIとEIDの情報を確認し、中国国内で販売された端末かどうかを確認するようです。

チャイナ・モバイルは、そのほかにもスマートウオッチやタブレット端末、車載機器など多様なデバイスにも対応するeSIM製品群を提供し、端末や利用シーンを跨いだシームレスな接続と連携を実現するとしています。

それにしても、AppleはiPhoneという切り札で、世界の通信事業の法規制やルール、商慣習などを次々に変革していきますね。

 

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