海外旅行でおすすめなeSIMとは?eSIMのメリットや選び方、セキュリティについて紹介
eSIMという言葉を聞いたことがありますか?
eSIMは、通信手段として昨今注目されている技術で、設定の手軽さや即時性の良さから日本を含め世界的に普及が進んでいます。これにより、海外旅行などの移動中も同じデバイスで簡単に異なる通信プロバイダーへの切り替えが可能になっています。
この記事では、海外eSIMの基本的な概念と機能、適切な選び方やおすすめのプロバイダーなどについて詳しく解説します。この記事が海外旅行を計画する際に、より良い通信環境を実現するための知識として、役立てますと幸いです。
関連記事:eSIMとは?その仕組みとメリット・デメリットを徹底解説!
目次
1. 海外eSIMとは何か?
ここでは、海外eSIMとは何なのか、普及の理由や現状などについて簡単に説明します。
1.1 海外eSIMについて
海外eSIMサービスとは、スマートフォンに内蔵されたeSIMを海外でも使用できるようにするサービスです。このサービスを利用することで、日本国内での利用時と同様に、インターネットに接続することが可能になります。
ただし、ご利用のスマートフォンがeSIMに対応している必要があるため、海外出国前には端末がeSIM対応かどうかを必ず確認する必要があります
1.2 海外eSIMが普及した理由
海外eSIMが普及した理由に「利便性と即時性」があります。従来、海外旅行時にはWi-Fi端末やプリペイドSIMのレンタルが必要で、予約や店舗訪問に手間や時間がかかっていました。
しかし、海外eSIMではオンラインや専用アプリでデータプランを購入し、すぐに利用開始できるため、時間と労力を大幅に節約できます。
1.3 海外eSIMがもたらすメリット
海外eSIMには上記だけでなく他にも以下のようなおすすめポイントがあります。
- ・コストの透明性
多くの海外eSIMプロバイダーは、明確で予測可能な料金体系を提供しており、旅行者は事前にデータプランを選ぶことができるため、予期せぬローミング料金に悩まされる心配がありません。 - ・複数国を跨いでの利用が可能
現地到着した後からでも購入することができるため、ヨーロッパやアジアなど複数の国々を自由に移動しながら利用することが可能です。 - ・SIMスワップ詐欺や個人情報漏洩へのセキュリティ対策
海外eSIMは物理SIMカードの交換が不要なので、SIMスワップ詐欺などによるリスクを軽減できます。また、物理取引が不要なため、個人情報の漏洩リスクを減らせます。
2. 海外eSIMの選び方とベストプラクティス
海外eSIMを選ぶ際はどのような点に注目したら良いのでしょうか。ここでは、海外eSIMを選ぶ際のポイントとベストプラクティスについて紹介します。
2.1 目的に合わせた海外eSIMの選び方
適切な海外eSIMを選ぶことは、海外旅行やビジネス出張の際に非常に重要です。旅行の目的や滞在期間に応じて最適なプランを選ぶことで、快適な通信環境を確保できます。以下では、目的に合わせたeSIMの選び方について詳しく解説します。
2.1.1. 短期旅行者向け海外eSIMの選び方
短期間の旅行者は、主にコストパフォーマンスを重視することが多いです。観光や休暇などで数日から一週間程度の滞在であれば、データ容量が少なくて価格が安いプランが適しています。特に、旅行中にインターネットを軽く使用する程度であれば、低コストの海外eSIMが経済的です。
2.1.2. 長期滞在者向け海外eSIMの選び方
長期滞在やビジネスでの利用を考える場合、データ容量や通信速度が重要なポイントとなります。例えば、リモートワークを行うビジネスパーソンや学生は、安定した高速インターネット接続が必要です。データ無制限や大容量のプランを提供する海外eSIMを選ぶことで、安心して仕事や学習に取り組むことができます。
2.1.3. 提供事業者の選び方
海外eSIMを提供する事業者が国内か海外かによっても選択肢は変わります。国内事業者の海外eSIMは、サポート面での安心感があります。日本語での問い合わせ対応や迅速なサポートが期待できるため、初めての海外旅行でも安心です。一方、海外事業者の海外eSIMは、現地の通信環境に最適化されたサービスを提供していることが多く、現地での利用に適しています。
これらのポイントを踏まえ、自分の旅行スタイルやニーズに合わせた最適な海外eSIMプランを選びましょう。価格、通信速度、データ容量、サポート体制などを総合的に判断することで、より快適な海外旅行を楽しむことができます。
2.2 データ使用量の見積もり方法
海外eSIMでは、使用するデータを事前に購入してから使用します。データ使用量によって様々なプランがあり、価格差があります。しかし、日本に帰国してから余ったデータを利用することができないことが多いため、無駄なく使いたいですよね。
では、実際どのように使うとどれだけデータ量を使用するのでしょうか。以下が一般的にアクティビティごとで使用されるデータ量の目安とされています。
アクティビティ |
データ量 |
Google マップを使用したナビの使用 |
5MB |
ソーシャルメディアの閲覧 |
50MB |
インターネットの閲覧 |
50MB |
オンラインゲーミングのプレイ |
70MB 以上 |
ストリーミング音楽の視聴 |
100MB |
SD 動画の視聴 |
1GB |
HD 動画の視聴 |
4GB |
4K 動画の視聴 |
7GB |
データ量の1日あたりの目安はSNSやWebサイトでの情報収集、マップの確認などの利用をあわせて、1GB程度とされています。しかし、HD 動画や4K動画などの高解像度の動画をインターネット上で見たりすると10分程度でもある程度のデータ量を使用します。
2.3 海外eSIMを利用する際のベストプラクティス
海外旅行やビジネス出張で海外eSIMを利用する際には、いくつかのベストプラクティスを守ることで快適な通信環境を確保できます。まず、海外eSIMの通信料金は、日本国内で使用するeSIMの料金よりも高額であることが一般的です。そのため、データ利用に計画性を持つことが重要です。
例えば、povoのデータ通信料金をアメリカと日本で比較してみましょう。以下に料金表を示します。
【アメリカでのデータ通信料別料金表】
【日本でのデータ通信料別料金表】
povoでは、「トッピング」という料金プランを採用しており、必要なデータ量を必要な分だけ選んで購入する形式です。例えば、同じ3GBのデータ通信量でも、日本では約1,000円で利用できるのに対し、アメリカでは2,000円以上かかります。さらに、購入したデータを使用できる期間も日本と比較して制限されています。
このような料金差を踏まえ、以下のベストプラクティスをおすすめします。
- ・データ利用の見積もりを行う
自分がどれくらいのデータを使用するかを予測しましょう。メールチェックやSNSの利用だけであれば少量のデータで済みますが、動画視聴やオンライン会議が多い場合は大容量のデータが必要です。 - ・滞在期間を考慮する
2.1でも書きましたが、滞在する期間に応じて適切なデータ量を購入することをおすすめします。短期間の旅行であれば少量のデータで足りることもありますが、長期滞在の場合はデータの追加購入が必要になるかもしれません。 - ・データ節約モードの利用
スマートフォンの設定でデータ節約モードをオンにすることで、無駄なデータ消費を抑えることができます。バックグラウンドでのデータ使用を制限することも有効な手法です。
アメリカ旅行でおすすめなeSIMを紹介しております。よかったら参考にしてみてください。
3. eSIMのセキュリティ対策とは
インターネットを利用する上でセキュリティ対策は不可欠です。特に海外での使用には特有のリスクがあります。ここでは、eSIMを海外で使用する際のセキュリティ対策と、eSIM自体のセキュリティ特性について紹介します。
3.1 eSIMのセキュリティ特性とは?
eSIMは物理SIMカードと比較してセキュリティ対策が強化されている一方、いくつかのリスクも存在します。特に「SIMスワップ詐欺」への対策が強化されています。
SIMスワップ詐欺とは、悪意のある者が相手の携帯電話番号を取得し、不正に利用する手口です。eSIMは物理的なSIMカードを必要とせず、デバイスに直接組み込まれるため、物理的なSIMカードの盗難や交換のリスクが低減されます。
一方で、「不正アクティベーション」というリスクが存在します。eSIMはソフトウェアベースのプロファイルを使用してデバイスにインストールされるため、詐欺師がユーザーの個人情報や認証情報を騙し取り、不正にアクティベーションを試みる可能性があります。これにより、悪意のある者が電話番号を乗っ取り、通信を傍受するリスクが生じます。しかし、多要素認証の導入や身元確認の徹底などで防ぐことが可能です。
3.2 海外のセキュリティ対策について
eSIMに限らず、海外でインターネットを利用する際のセキュリティ対策について紹介します。日本と海外ではインターネットの安全性が異なります。
特に、公衆Wi-Fiの利用には注意が必要です。安全性の低い公衆Wi-Fiを利用してパスワードやクレジットカード情報を入力すると、情報漏洩や金銭搾取のリスクが高まります。また、公衆Wi-Fiを通じてマルウェアが配布されることもあります。そのため、公衆Wi-Fiに安易に接続しないことをおすすめします。
3.3 海外でインターネットを安全に使うためのヒント
では、 海外でeSIMを含めインターネットを安全に使うためにはどうしたらよいのでしょうか。海外でeSIMを含めインターネットを安全に使うためには、「VPN」の利用がおすすめです。
VPN(Virtual Private Network)は、仮想的なプライベートネットワークを構築し、第三者からの閲覧を防ぎ、通信を暗号化します。公衆Wi-Fiを利用する際でも、VPNを通じて安全にインターネットを利用できます。
特にインターネットVPNという種類のVPNは安価で、安全なネットワーク環境を構築でき、ウィルス対策ソフト等にも導入されているため、おすすめです。
ただし、信頼性のないVPNソフトを利用すると情報漏洩やマルウェアに感染する恐れもあるため、評価をしっかり確認するとよいでしょう。
4. 国内でおすすめな海外eSIMプロバイダーについて
海外で利用可能なeSIMプロバイダーは数多くありますが、どのような会社があるのでしょうか。ここでは、国内でおすすめな海外eSIMプロバイダーについて紹介します。
4.1 国内でおすすめな海外eSIMプロバイダーについて
ここでは、国内でも大手海外eSIMプロバイダーとして有名なNTT系のオンライン専用ブランド「ahamo」とauのオンライン専用ブランド「Povo」について紹介します。
eSIMブランド名 |
ahamo |
povo |
運営会社 |
株式会社NTTドコモ |
KDDI Digital Life株式会社(KDDIの連列子会社) |
設立年月 |
2021年3月 |
2021年3月 |
利用可能地域 |
91の国・地域 (対象地域) |
200以上の国・地域 (対象地域) |
主な料金プラン |
20GB:2,970円(1ヶ月) (1ヶ月以内でデータを使いきってしまった場合は追加購入不可) |
韓国3GB:2,000円(7日間) アメリカ3GB:2,260円(7日間) シンガポール・マレーシア3GB:2,430円(7日間) |
特徴 |
20GBの月間利用可能データ量内であれば無料で利用可能 |
国をまたぐ移動でも効率よく使用できる「ワイドトッピング」を採用。 |
ahamoでは、20GBの月間利用可能データ量内であれば無料で利用可能なのに対して利用可能な地域はpovoの半分以下となっております。また、povoであればデータ容量が不足した場合でも追加購入ができるのに対し、ahamoは20GBを使い切ってしまった場合、通信速度が送受信時最大1Mbpsになってしまい、翌月になるまで追加されません。
プロバイダーごとにメリット・デメリットが存在します。利用する際は、どのプロバイダーであれば自分に利用状況に合うのかをチェックしてから選ぶとよいでしょう。
4.2 ユーザーレビューと評価
ここでは、ahamoとpovoの海外eSIMを使用した方のレビューと評価を紹介します。
- ・ahamo
「使い方は設定からローミングをオンにするだけと至って簡単でおすすめ。短期旅行はもうこれでいいや。」
「ahamoは、アメリカでもそのまま20GBまでデータ通信もできて便利!と思ったけど、海外での使用が15日をすぎると速度制限されると言うワナが。」
「20GBあるからテザリングが使えるのが便利。公衆Wifi使うの結構勇気いるし…。」
- ・povo
「いつもの回線がそのまま使えるのは魅力。ローミング時に接続できるキャリアやその通信方式についても、auやUQ mobileに準拠しているのでセキュリティで安心できる」
「データを使い切っても、トッピングを追加で購入すれば快適に使用できるのがよい。ただ、他社と比べると値段が高いなぁ…。」
「たまにトッピングボーナスのプロモコードがもらえたりするので安く使えるのがいい!」
5. 世界各国でのeSIM普及状況
少し話が変わりますが、日本ではeSIMが大分普及してきました。では、他の国ではどうなっているのでしょうか。ここでは、日本でも人気の旅行先のeSIMの利用状況について紹介します。
5.1 アメリカ
アメリカでは、eSIMの普及がかなり広がっており、大手通信キャリアやiPhoneやGoogle Pixelなどの人気デバイスにeSIMが導入されていることもあって利用者も増えています。特にiPhoneやiPadを提供しているアップルの製品は、iPhone 14シリーズから(アメリカ限定)SIMカードトレイが廃止され、eSIMのみの対応となったことも一つの要因とも言えます。
ただし、都市部ではeSIMによる通信が非常に便利ですが、郊外や農村部などではネットワークがつながりにくい場所もあります。eSIMの利用を検討する際には、滞在地域のネットワークカバー状況を事前に確認することが重要です。
5.2 ヨーロッパ
ヨーロッパでも、アメリカ同様にeSIMの普及が急速に進んでいます。特に、イタリア、イギリス、フランス、ドイツなどの主要国での導入が顕著です。ヨーロッパでは国境を越えた移動が頻繁に行われるため、eSIMの利便性が高く評価されています。
また、eSIMの普及にはセキュリティ対策の観点も影響しています。従来の物理SIMカードに関連する詐欺が横行していたため、より安全な通信手段としてeSIMが選ばれるようになりました。
eSIMの導入により、ユーザーは簡単かつ安全に通信プロバイダーを切り替えることができるようになり、旅行やビジネスでの利便性が向上しています。
5.3 アジア
アジアでも、他の地域同様にeSIMの普及が進んでいます。特に中国や韓国では、高速かつ安定した5G通信が可能なエリアが多く、スマートフォンやウェアラブルデバイスの普及に伴い、eSIMの利用が拡大しています。これにより、旅行者やビジネスユーザーにとって、より便利な通信手段が提供されています。
一方で、山岳地帯や田舎地域など、一部の地域では通信品質が低下したり、不安定な場所もあるため、注意が必要です。eSIMの利用を検討する際には、滞在予定地のネットワークカバー状況を事前に確認することが重要です。
5.4. オセアニア
オセアニアでもeSIMの普及が進んでおり、特に海外旅行者向けのプランが人気です。長期滞在者向けから短期旅行者向けまで、さまざまなプランが提供されており、自分の滞在期間やデータ使用量に応じたプランを選ぶことができます。
ただし、キャリアによってカバーする通信エリアが異なるため、滞在するエリアが契約しているキャリアで対応しているかを事前に確認することが重要です。これにより、通信の不便さを避け、快適なインターネット環境を確保することができます。
まとめ
この記事では、海外eSIMの基本的な概念と機能、適切な選び方やおすすめのプロバイダーなどを解説しました。
海外旅行を計画中の方にとって、eSIMは非常に便利な選択肢です。eSIMを利用することで、SIMカードの交換やWi-Fiレンタルの手間を省き、スムーズな通信環境を手に入れることができます。特に、eSIMはコストの透明性が高く、予期せぬ料金の発生を防ぐことができるのも大きなメリットです。
eSIMを選ぶ際には、自分の旅行スタイルや通信ニーズに合わせたプランを選ぶことが重要です。この記事を参考に、自分にあった最適なeSIMを見つけて、快適な海外旅行をお楽しみいただけますと幸いに存じます。
eSIM.loveは革新的なテクノロジーであるeSIMに焦点を当て、その情報発信を目的とした新しいメディアプラットフォームです。株式会社モバイル・プランニングが運営しており、「eSIM.love」を通じてeSIMの普及を促進し、ユーザーに基本的な情報から最新の情報、利便性の高い使い方を提供することを目指しています。