1か月100GB、Maya MobileのヨーロッパeSIMをドイツなどで使ってみた

数日間の海外渡航に対し、2週間や1か月など長期の出張の時などは、なるべく大容量のeSIMを購入したいものです。今回はMaya SIMのヨーロッパ100GBプランを購入し、ドイツ、ギリシャ、キプロスでそれぞれ通信速度をテスト。リーズナブルな価格ながらもサービスは高速で十分満足できるeSIMでした。なお今回テストに使ったスマートフォンはグーグルのPixel 9 ProとサムスンのGalaxy Z Fold7です。
目次
大容量プランのあるMaya SIM、PC購入がお得?
大容量プランのあるeSIMを調べていたところ、今回見つけたのはMaya Mobileの製品です。各国や地域ともに50GBや100GB、また使い放題プランを用意しています。使い放題はおそらく速度制限があると思われますが、たとえば1か月100GBもあれば実質使い放題感覚で使えるでしょう。
Maya Mobileはアプリが無いためeSIMの購入はWEBブラウザで行いますが、管理画面もあるためログインすればデータ残量を把握することも可能です。小容量のプランを買った時でも残量確認ができるのは便利です。
Maya Mobile : https://maya.net/

Maya Mobile
さっそくMaya MobileのWEBページからeSIMの購入を進めます。今回はドイツを中心に約1か月間ヨーロッパに滞在予定だったので、ヨーロッパ30日で100GBのプランを購入することにしました。画面上の「eSIM Plans」をクリックして、そこから「Europe+」を選択して進みます。

一覧から「Europe+」を選択

ヨーロッパeSIMを購入
購入時にアカウント作成
さて一般的にネットで何かを買うとき、PCよりもスマートフォンから購入したほうが優待を受けられることが多いように思います。ところがMaya Mobileの場合は、スマートフォンでブラウザからアクセスしたところ定価だったのに対し、PCのブラウザからでは割引価格となっていました。これはタイミングによるものなので、購入時はスマートフォンとPC、どちらからも開いて料金を確認するのが良さそうです。

PCブラウザでは割引になっていた
ヨーロッパ30日100GBの料金は8500円。今回は割引で7650円。単価としては1GBあたり85円から76.5円ですから十分リーズナブルでしょう。100GBプランの「Add Cart」をクリックして、先に進みます。利用開始日と日数を選択します。

開始日、日数を選ぶ
購入の途中のプロセスでユーザーアカウントを作成しますが、データ残量確認のためにも作成は必須です。

アカウントを作成して進む
Gmailでアカウントを作ったからか、支払いはGoogle Pay、PayPal、クレジットカードが選べました。購入が終われば、あとはスマートフォンでeSIMのインストールを行います。

購入までのプロセスはスムーズだ
スマホからインストール、eSIM管理も可能
それではスマートフォンをWi-Fiに接続し、ブラウザでMaya MobileのWEBページを開いてログインします。するとすでに購入されたeSIM情報が表示されます。画面下部の「Install eSIM」をタップすれば、QRコードが表示されるのでiOSの場合は長押しで、Androidの場合はスクショを取ってからインストールできます。なおQRコードはメールでも届いています。

スマホアプリでログインしてeSIMインストールができる
この後は指示に従ってeSIMをインストールしていきます。インストール後は「Plus」という名前でeSIMが入りました。このPlusの設定画面では、ローミングを必ずONにします。Wi-Fiを切ればデータ通信が始まるはずですがなぜか流れず。そこでモバイルネットワークの設定を見ると、APNがチェックされていない状態でした。そこでAPNをチェックして、念のため機内モードに一度ON・OFFをすると、無事アンテナピクト部分に5Gの表記が出てきました。

ローミングはON、APNも確認する
ドイツで十分な速度、ギリシャとキプロスでも快速
今回はフランクフルト空港で購入したので早速速度をテスト。下り約85Mbps、上り約30Mbpsと十分な速度でした。

フランクフルト空港でテスト
その後フランクフルト中央駅では下り130Mbpsとより高速でした。その後ドイツ滞在中、ベルリンやミュンヘンでも速度テストを行ったのですが、下り速度は100から150Mbpsの間で安定していました。上りは40から60Mbpsでこちらも良好。ノートPCを接続してのテザリングも問題ありません。

フランクフルト中央駅
さてギリシャは空港でのトランジットだけだったので参考値となるでしょうが、テッサロニキ、アテネ、どちらの空港内でも500Mbpsを軽くオーバー。最速はアテネ空港の898Mbpsで、ほぼギガ速度と言えるでしょう。Maya MobileのeSIMはドイツよりギリシャのほうがより快適に使えそうです。

アテネ空港ではほぼギガの速度
そしてキプロスのラルナカへ行った時も速度をテスト。まずは空港で700Mbpsをオーバー。ギリシャ同様に快適すぎる速度です。

ラルナカ空港
とはいえこれは空港だけかもしれません。そこでラルナカの観光地であるアシノン通りでテストしてみたところ、約650Mbsでした。ラルナカでは他にもホテルやショッピングモールでテストしましたが、500Mbpsを切ることななく快適に使えたのです。

観光地でもこの速度を記録
ブラウザから残量確認可能、長期や大容量利用に便利
100GBもあればデータ残量をあまり気にせず使い続けられますが、スマートフォン、PC、どちらからもブラウザでMaya Mobileのページを開いてログインすれば、データ残量をすぐ確認できます。なおスマートフォンを使っている際、1時間後くらいに再度ページを開くと再ログインが必要でした。セキュリティーのためかもしれませんが、ログインした状態は長時間保持されないようです。
またデータ残量が残っている場合、あるいは有効期限が切れた後でも、データ量を追加して使い続けることができます。ただし追加よりもeSIMを買いなおしたほうが料金は若干安くなります。

ブラウザでデータ残量を確認可能(左)。データ量の追加はいつでもできる(中、右)
Maya Mobileの使い勝手ですが、ドイツでは十分な速度で、ギリシャとキプロスではかなり高速でした。筆者は次回のヨーロッパのときも、またMaya Mobileを使ってみたいと感じました。日本からのローミングも使いやすくなっていますが、今回のように長期間の滞在や、大容量のデータが必要な場合はMaya MobileのeSIMも十分便利でしょう。
香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。


