日本にも対応したVodafone TravelのeSIMを使ってみた
筆者は主にeSIMの海外使用レポを書いていますが、今回は海外eSIMを日本で使ってみました。グローバルでサービスを行っているボーダフォン(Vodafone)の海外渡航用のeSIMサービスである「Vodafone Travel」がサービスエリアを拡大し、今までのヨーロッパに加え、日本などアジア各国でも使えるようになったのです。なおスマートフォンは日本購入のグーグル「Pixel 9 Pro」を使いました。
目次
Vodafone Travelのサービス概要
海外、特にヨーロッパに行けばあちこちにボーダフォンの広告を見かけるほど、同社は世界でも有数の大手通信キャリアです。Vodafone Travelはそのネットワークを生かして主にヨーロッパ向けのプリペイドeSIMサービスを行っていましたが、2025年6月からはアジアなどにもサービスエリアを拡大しています。
Vodafone Travelのホームページ
日本向けの料金は3つのみです。
・3GB:10日、12.5ドル(約1850円)
・5GB:15日、18.0ドル(約2660円)
・10GB:30日、30.5ドル(約4500円)
英語メニュー、要ユーザー登録
購入はアプリが無いので、ブラウザから行います。日本語の対応は無く、英語メニューを選んで進むといいでしょう。Wi-Fiに接続して travel.vodafone.com にアクセスしたのち、検索窓に「Japan」と入力、選択メニューから希望のプランを選びます。今回は3GB、10日間を選択しました。
ブラウザから購入、日本語メニューは無い
プランを選んだあとは氏名や住所などを入力。ユーザー登録が必要ですが、筆者はGoogleアカウントで登録しました。
指示に従い個人情報を入力していく
あとは内容を確認、購入はGoogle Payで行ったので、カード番号の入力も不要でした。
購入までのステップも簡単だ
購入完了後は「View My eSIMs」から自分で購入したeSIMを見ることができます。なおQRコード及びeSIMの手動インストール情報はメールでも届きます。あとはスマートフォンにインストールすればOKです。
購入完了後、すぐにeSIMが利用できる
日本での速度は合格、緊急用にも使える
Vodafone TravelのeSIMはヨーロッパ発行のため、日本で使う場合はローミングをONにする必要があります。また今回は都合により東京都内での利用はできず、都下の中央林間と成田空港でテストを行いましたが、日本のキャリアはソフトバンク回線をつかんでいました。Wi-Fiを切ると4Gにつながりましたが、しばらくすると5Gへ切り替わりました。
インストール後はローミングをONにする。ソフトバンク回線を使用する
本当は都内でテストを行いたかったのですが、移動の都合上、中央林間でのテストとなりました。5Gに接続していますが下りは約150Mbps、上りは約15Mbpsということで、4G相当の速度です。とはいえ十分な速度であり、ストレスを感じることは無いでしょう。
中央林間駅でのテスト
成田空港では下り、上りとも速度は半減。ソフトバンクのカバレッジと関係していると思われます。上りがやや遅いものの、下りはストリーミングでの動画視聴も問題ありません。海外キャリアのeSIMとはいえ、十分実用的だと感じられます。ただし価格は30GBプランの場合で、1GB=約450円。日本で販売されているプリペイドeSIMのほうが価格は安く、常用にするよりも緊急用とするのがよさそう。WEBページは英語、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語対応なので、海外からの渡航者に購入のわかりやすさという点で進めるのもいいかもしれません。
成田空港での速度は中央林間の半分だった
香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。