iPhone 17シリーズはeSIMオンリー! iPhoneならeSIMの移し替えは簡単!
iPhone 17(Appleホームページより)
9月9日(日本時間では9月10日)に発表された「iPhone 17」シリーズ、そして「iPhone Air」。これらのすべてが、日本国内で発売されるモデルでは「eSIM対応、物理SIM非対応」となりました。わが国で市販されるスマートフォンでeSIMオンリーとなるモデルはiPhone 17シリーズが初めてとなるのでは。
ちなみに、アメリカではiPhone 14シリーズからSIMカードスロットが廃止されeSIMオンリーとなっていました。いずれ日本向けモデルもeSIMオンリーになるのではと言われてきましたが、ついにその時がやってきました。
eSIMオンリーとなり、「機種変更時などはどうしたらよいの?」「高齢者とか戸惑うんじゃないの?」などのコメントがSNSで飛び交っていますが、何も心配はいりません。eSIMの利用はとても簡単ですよ。
過去にご紹介したレポートから、「物理SIMをeSIMに変換する」および「別のiPhoneにeSIMを移す」手順を再掲します。
目次
iPhoneで物理SIMをeSIMに変換する
筆者手持ちのiPhone 15 Proに、UQモバイルで契約している物理SIMが装着されていました。このSIMカードをeSIMに変換する手順をご紹介します。
SIMトレイにはUQモバイルのSIMカードが装着されてます。SIMトレイを抜くと「SIMがありません」のダイアログが出ています。
「設定」→「モバイル通信」とタップし、「eSIMに変更」をタップします。
eSIMへの変更を再度確認するダイアログが表示されます。サイドボタンをダブルクリックして承認し、しばらくすると「モバイル通信設定完了」の表示が出て、eSIMへの変換が完了しました。
eSIMに変換したのでSIMカードを抜いても先ほどの画面で出てきた「SIMがありません」のダイアログは表示されず、アンテナピクトも立っています。
以上でiPhone上でSIMカードをeSIMに変換できました。とても簡単で、あっという間でしたね。
なお、eSIMに変換できるのは、NTTドコモ(ahamoを含む)、KDDI(UQ mobile/povo2.0を含む)、ソフトバンク(ワイモバイル、LINEMOを含む)、楽天モバイルのみとなっています。MVNOなどでは利用できません。
また一度eSIMにしてしまうと、それまで使用していたSIMカードは使えなくなります。再度、SIMカードに戻したいときは、通信キャリアで新たなSIMカードを発行してもらう手続きが必要で、手数料もかかります。
iPhoneのeSIMを別のiPhoneに移す
iPhoneの「eSIMクイック転送」を使ってeSIMを他のiPhoneに移してみましょう。ここでは、先ほどiPhone 15 Pro上でeSIM化したUQモバイルの回線を、iPhone 12 miniに移します。手順は以下のとおりです。
iPhone 15 Pro(右)からiPhone12 mini(左)へeSIMを移します。左の端末はSIMが装着されていないのでアンテナピクトも0本(圏外)です。
eSIMを移す側のiPhoneで操作します。「設定」から、まずインターネットへの接続が必要なのでWi-FiをONに、続いて「モバイル通信」をタップすると、iPhoneは周囲のSIMの転送が可能なiPhoneを探します。
周囲にあるiPhone 14およびiPhone 15 ProのSIMを見つけました(左)。先ほどeSIM化した回線を選択します。転送をするかという確認のダイアログ(中央)が表示されるので「番号を転送」をタップすると、移行元のiPhoneで承認をするようにというダイアログが表示されます(右)。
転送元のiPhone画面に「転送を承認」というダイアログが表示されますので、サイドボタンをダブルクリックします。
以上でeSIMの転送が完了(左)し、転送元のiPhoneではアンテナピクトが0本(圏外)になりました(右)。
以上で、iPhoneの「eSIMクイック転送」を使ったeSIMの移し替えは完了です。
eSIMを他のスマホに移し替える(機種変更)するには、基本的には契約している通信キャリアのサイトから手続きをして、eSIMのプロファイルを発行してもらい、そのプロファイルを新しいスマホにインストールする(プロファイルのQRコードを読み込むなど)などの手間がかかりましたが、iPhone同士であれば通信キャリアを介することなく、とても簡単にeSIMを移すことが可能です。
MVNOのeSIMの場合、このiPhoneの「eSIMクイック転送」には対応していないため、eSIMプロファイルの再発行を申請し、新しいiPhoneにインストールするという方法で機種変更をする必要があります。
名桜大学人間健康学部健康情報学科教授。’90年代から携帯電話端末のレビューやサービスの解説を行ってきた。携帯電話情報サイトの編集長などを務めた後、2009年に大学教員に転身。以後スマートフォンの社会での活用などを研究テーマとして活躍。現在は医療・ヘルスケア分野へのデジタルデバイスの応用を中心に研究に従事。携帯電話コレクターとしても知られる。