山根康宏のワールドeSIMレポート
2025年7月9日

1日10GB利用可能、RedteaGoのeSIMを中国蘇州・上海で使う

前回に続き今回も中国のeSIMをテストしました。今回購入したeSIMはRedteaGoの提供する中国向け製品。1日あたり10GBと大容量、それ以降も低速でデータ定額で使えるという利便性の高いプランを上海で使ってみました。なおテストに使ったスマートフォンは日本発売のiPhoe 12 miniです。

上限ありも実質使い放題のRedteaGo中国プラン

RedteaGoはシンガポールのeSIMプロバイダです。世界各国の料金プランを提供しており、一部の国では「データ定額」と「データ容量(指定日数)」の2つのプランを展開しています。このデータ定額プランは1日あたりの高速データ利用容量が決まっており、それを超えると低速になります。

RedteaGo:https://esim.redteago.com/ja

料金プランに特徴のあるRedteaGo

中国のプランを見てみると、無制限データプランが「軽量データ」「ヘビーデーター向け」の2種類。データ専用パッケージは500MB/7日から100GB/365日まで9プランあります。

このうち無制限データプランで動画なども見られる高速通信可能なヘビーデーター向け料金は、1日4.9ドル。1日あたり10GBと高容量が高速データで、それを超えると48Kbpsと低速になります。そして深夜24時になると使用量はリセットされ、翌日もまた10GBが高速となります。1日10GBというと動画配信を見たり流したり、あるいは大量のデータをPCで送受信しないかぎり到達しないでしょう。ということで事実上、たしかに「無制限」と言えます。

さて今回は上海に5日間滞在しました。そして仕事でかなりの通信量が増えることを考え、ヘビーデーター向けで5日間を購入することにしました。ヘビーデーターの料金は1日4.9ドル x 日数です。5日間だと4.9 x 5=24.5ドル(約3450円)となります。

中国向けのプラン

この金額なら50GB/365日の26.1ドル(約3770円)とあまり変わりませんが、こちらのプランは万が一、1日あたり20GBなど大量のデータを流してしまった場合、データ残量が一気に減ってしまいます。たとえば夜中に動画配信サービスをつなぎっぱなしで寝てしまう、なんてこともありうりますね。

ユーザー登録不要、簡単ステップで購入可能

ということで今回はPCの画面からそのままeSIMを購入しました。「無制限データ ヘビーデーターユーザーにお勧め」をクリック。次の画面のポップアップの下部で枚数と日数を選ぶので、枚数は1枚のまま、日数は5日を選んで先に進みます。

ヘビーデータプランの購入画面

「今すぐ購入」をタップして、次の画面ではユーザー登録の確認が行われますが、RedteaGoはアプリも無いため登録する必要は無さそうです。そのためゲストとしてログインするの下の「続ける」で次へ。

ゲストのまま購入を続ける

次の画面ではすぐに購入ができます。支払いはクレジットカード、PayPalなどが使えます。

支払いは簡単だ

購入完了後、ページ上部の「マイアカウント」をクリックすれば、注文内容が表示され、QRコードもここからダウンロードできます。

ゲストでもマイアカウントから購入情報を確認できる

あとはスマートフォンのWi-Fiを接続後、QRコードからeSIMをインストールします。

 

QRコードもすぐに発行された

eSIMはRedteaMobieの回線としてインストールされます。インストール後はiPhoneがeSIMに適当な名前を付けているので今回は「Readtea」にリネーム。スマートフォンのWi-Fiを切ると、無事5G回線に接続されました。なおデータローミングはOFFのままでつながりました。

インストール後、5G回線に接続した

 

150Mbps前後と安定した速度

今回は「東洋のベネチア」とも言われる中国・蘇州と、宿泊地の上海でRedteaGoを使ってみました。蘇州までは上海から高速鉄道で約30分、しかも5分から10分おきに列車は走っています。大都会から美しい水の都まで簡単に行くことができるのです。最初に向かったのはまさしくベネチアを思い起こさせるエリア、山塘街へ。ここも蘇州の鉄道駅から地下鉄で簡単にアクセスできます。さっそく水路で速度テスト。下り153Mbps、上り46Mbpsと悪くない速度です。またローミングOFFで接続できましたが、海外SNSも問題なく使えました(中国国内キャリアのSIMだと、海外SNSはそのままでは接続できません)。

東洋のベネチアで速度テスト

この水路を船で北上したところにあるのが名所の虎丘(こきゅう)。ここの丘の上には高さ47メートルの「虎丘塔(雲岩寺塔)」が立っていますが、地盤沈下により傾いています。そこから「東洋のピサの斜塔」とも呼ばれているのです。ベネチアとピザの斜塔、その東洋版を一度に訪問できるというわけです。この虎丘塔前でも通信回線は良好で、下り143Mbps、上りは23Mbps。

iPhoneの画面が見にくいが、虎丘塔の傾き具合はよくわかるだろう

蘇州市内はほとんどのエリアで下りが150Mbps前後、上りは20-50Mpsでした。ただし蘇州駅の高速鉄道のコンコースは人が多く、4G接続だったこともあり下り28Mbps、上り8Mbpsとやや遅い速度でした。

蘇州駅コンコース

さて蘇州から上海にもどり、こちらでも速度をテスト。上海市内でも蘇州と同等程度の速度で、あ呈して使うことができました。

上海の豫園でテスト

ところで1日10GBを超えると速度が低下するとのことですが、ではどれくらいの速度まで落ちるのでしょうか。実際に大量のデータを朝から流し、夜に10GBを超えたあたりで速度を計ってみました。なお10GBの使用量は概算でiPhoneの設定画面から確認。48KB/sに低下するとのことでしたが、下りは0.08Mbps=80Kpbs、上りは0.34Mpbs=340Kbpsでした。体感速度はかなり遅く、SMSのタイムラインもちょっと待つこともありました。速度低下後の実用面はやや低いでしょう。

1日10GBを超えると低速になる

RedteaGoはプラン体型を2つから選べ、特に仕事で大量のデータを使う必要がある場合に便利でしょう。中国渡航時の参考になれば幸いです。

 

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