山根康宏のワールドeSIMレポート
2024年4月23日

290円のeSIMの使い勝手は?日本語で買える海外の日本用eSIMをテスト

旅行先や出張先に行ったところ、ホテルや目的地でWi-Fiもスマートフォンの電波も弱い、あるいははいらない、なんてこともあるかもしれません。

そんな時にeSIMならすぐにデータ回線を追加して買うことも可能です。しかし緊急用回線ですから安いに越したことはないでしょう。

今回は海外旅行のクーポンなどを発行しているKKdayが販売している日本用eSIMの、1日290円プランを買って使ってみました。

スマートフォンは日本のiPhone 12 miniを使います。

 

 

290円で500MBが使えるKKdayの日本用eSIM

KKdayは世界各国の様々なチケットやクーポンを販売している海外の会社です。たとえば海外の空港から市内への鉄道切符なども販売しています。日本向けのサービスにも力を入れており、サービスはすべて日本語、日本円でも利用可能です。

KKdayは以前からプリペイドSIMカードの販売も行っていましたが、最近はその場で購入できるeSIMの販売にも力を入れています。各国向けのeSIMが多くあり、日本向けもあるのは訪日外国人観光客向けです。とはいえ日本在住者が使うことも問題ありません。

KKdayのページは販売している製品が膨大なため、検索ウィンドウで「日本 eSIM」で検索すると日本向けのeSIMが多数出てきます。その中で格安で使えそうなものは2つ見つかりました。

 

KKdayの日本向けeSIMカード

 

1つは「日本eSIM データ無制限」で、1日500MB 149円から。回線はauまたはSoftbankです。もう1つが「日本SIMカード|日本 1/3/5/7/8/10/14/20/30日 1日通信量/合計通信量 eSIM」で、こちらはドコモ、au、Softbank対応で290円から。価格は約2倍違います。もちろん価格の違いはサービスの違いにつながるかもしれません。

今回は確実につながることを考え、3キャリア対応の290円の製品を買うことにしました。

KKdayホームページ

あらかじめスマートフォンはWi-Fiに接続しておきます。KKdayのeSIM商品ページを開き、まずは利用開始日を決める必要があります。次に1日のデータ量と日数を選んでいきます。

 

開始日とプランを選択する

 

そのあとはログインが必要ですが、グーグルなど主要サービスのアカウントでログインできます。続けてクレジットカードで購入を済ませれば、すぐに申し込み完了となります。そこから購入/予約詳細を開き、バウチャーを表示すると、eSIMのQRコードが記載されたPDFファイルが開きました。

購入開始から4分でeSIM発行までできるとは、急ぎでeSIMが必要な時にも使えそうです。

大手キャリア回線で安心の速度

eSIMのインストールはQRコードや

iPhoneで読み込むのならばQRコードのスクショからインストールできます。こちらの記事を参照してください。

スマホ単体でeSIMのQRコードを読む方法、iOS 17ならより簡単に

 

さてeSIMをインストールしていくと「中華電信」の名前が出てきました。台湾の大手キャリアのプリペイドeSIMで日本対応のものをKKdayは販売しているというわけです。

eSIMの名前はわかりやすいように「個人」から「KKday」に変更しました。

して台湾のeSIMなので、日本で使うためにはデータローミングをONにする必要があります。Wi-FiをOFFにすれば、アンテナマークのところに「4G」のデータ通信の表記が現れます。

 

eSIMは中華電信のもの。「個人」でインストールされた。データローミングはONにする

 

今回はとあるホテルの部屋でWi-Fiが使えず、メインで使っているスマートフォンのキャリアの電波も入らない、といった情況を想定。あらかじめカフェでWi-Fiに繋ぎeSIMを購入、そのあと室内で使ってみました。電波はドコモを拾い、速度は下り70Mbps前後、上り10Mbps前後。十分な速度です。なおアプリは無いのでデータ量は設定画面から概算を見ておく必要があります。

 

auをつかんだ。速度はまあまあ。設定から概算データ量を常に見ておいた方がいい

 

またこのeSIMは3キャリアを使えるので、au(KDDI)とSoftbankにも切り替えてみました。下りはauが30Mbps前後、Softbankが10Mbps前後です。この速度は場所によっても変わるでしょうから、複数キャリアを使えるeSIMのほうが、最速のキャリアに切り替えることができて便利なわけです。

 

キャリアを手動で変更、auとSoftbankのテスト

 

なお東京都内の屋外でテストしたところ、auで70Mbps程度。回線状況が良ければドコモもauも100Mbps弱くらいは行きそうです。

 

都内ではaaで70Mbpsの速度だった

 

さてこのeSIMは無料利用分を超えると通信速度が落ちるものの、そのまま1日使い続けることができます。そこで500MBに近くなったあたりで速度をテストしてみました。iPhoneの設定画面のデータ通信量は概算ですが、451MBを使ったところで速度テストをしたところ、下り0.04Mbps、上り0.06Mbpsでした。

ここまで低速だとSNSの利用もかなり厳しく、データ利用分超過後の速度はあまり期待しないほうがいいでしょう。

 

設定を見ると451MBだが概算なので、実際は500MBを超えているようだ。通信速度はかなり遅い

 

必要に応じて気軽に買える、即時発行がKKdayの利点

緊急で通信回線が必要になるケースはいろいろとあるでしょうが、eSIMの登場で海外のeSIMをその場で購入し使うこともできるようになったのです。しかもKKdayのeSIMはその場で即時に発行されるので本当に急ぎの時も安心して選ぶことができます。

今回紹介した以外にも有効日数やデータ量は様々なものが用意されていますが、長期使う場合はまた別のeSIMが便利かもしれません。このあたりは各社の料金を比較して選ぶのがいいでしょう。

 

最新の投稿

連載特集

  • 木暮祐一のeSIM奮闘記
  • 山根康宏のワールドeSIMレポート

タグ