eSIMレビュー
2023年9月5日

バンコクのeSIMは5Gが爆速!Wi-Fiも無料でお得に使える

 

世界各都市でのプリペイドeSIM購入体験記、第4回はタイ・バンコクです。今回訪問したのは2023年6月下旬になります。バンコクでは2つの空港(スワンナプーム、ドンムアン)にキャリアが大々的にカウンターを出しています。今回試したAISのeSIMは低価格で高速な5G通信が可能、さらにショッピングモールなどでWi-Fiも無料で利用できるお得なSIMでした。なお今回利用するスマートフォンは日本で購入したiPhone 12 miniです。

 

①バンコクのスワンナプーム空港でAISのeSIMを購入

 

タイのスワンナプーム国際空港は24時間世界中から飛行機が発着しており、夜中でも通信キャリアのカウンターは開いています。タイの通信キャリアはAIS、dtac、Trueの3社がありますが、今回はシェア最大のAISを選びました。以前は簡単にプリペイドSIMカードを買うことができましたが、現在はパスポートを提示しての本人登録が必要となっています。

 

スワンナプーム国際空港のAISカウンター

 

AISのプリペイドSIMカードには複数の種類がありeSIMでも購入できます。料金表を見ると4Gまで対応のものと5G対応のものが別になっていますが、スタッフによるとすべて5Gに対応とのこと。今回は滞在が数日だったので一番安い8日間用を購入、299バーツ、約1200円でした。データ定額ですが5G速度は15GBまでとのこと。後述しますがWi-Fiが無料で利用できるので使い勝手は十分だと言えます。

 

AISのプリペイドSIMの料金表。一番安い299バーツでも5Gにつながる

 

スタッフに「eSIMにしてほしい」と伝えると、「スマートフォンを渡してください」と言われました。以前台北の桃園空港同様、ここでは自分でeSIMの導入はできず、スタッフに任せて行うようです。自分でやりたいと伝えたのですがNGとのことでした。また購入前に支払いを行いますが、現金だけとのこと。すぐ横にATMがあるものの、他のキャリア(dtacとTrue)ではクレジットカードが可能であり、ちょっと面倒だと感じました。

 

eSIMの導入はスタッフが行う

 

作業を見ているとeSIMのQRコードをスマートフォンから読み込むなど、作業そのものは自分でもできる手順のようです。とはいえ登録作業などが必要なのでしょうね。5分ほどで設定が完了し「使えますよ」と渡されたiPhoneの画面を見ると、しっかりとアンテナマークが立っています。そして「5G」の表示もでています。

 

わずか1200円で5G回線を入手できた

 

②600Mbps超えの爆速5Gを体験

 

ではさっそく使ってみることにします。空港でスピードテストを計ってみると下り速度は400から450Mbps、上りはギリギリ100Mbpsに届かないといったところ。タイの首都とはいえ、ここまで高速な5G体験ができるとは驚きです。幸先のいいスタートというか、滞在中もこれなら通信速度に不満が出ることは無さそうです。なおテザリングでノートPCを接続しての通信も問題ありませんでした。

 

空港では400Mbpsを軽くオーバーした

 

さて夜遅くに到着したのでその晩はそのままホテルに入って就寝。翌日は朝からバンコク市内を動き回りました。バンコク市内の交通は地下鉄に加え高架鉄道のBTSが走っており、たいていのところへは公共交通機関を使って移動することができます。今回地下鉄内で通信速度を試すことを忘れてしまったのですが、特に遅いと感じたことはありませんでした。またBTSならば高架を走っているので速度は地上と変わりません。

 

バンコク市内を走る高架鉄道のBTS

 

いくつかのショッピングモールを回ってみましたが、通信速度が200Mbpsを切るケースもあったものの、そもそも100Mbpsを超えていれば十分高速でしょう。移動しながら動画を見るにしてもスマートフォンの画面であれば十分な画質で再生してくれます。5Gの恩恵を受けるのはSNSへ動画をアップロードするときなどでしょうか。とにかくAISのeSIMは価格に対して満足度が高く、コスパは非常に高いと思います。

 

200Mbpsを切るエリアもあったが体感速度は十分早い

 

夕食のレストラン内でも5Gの電波が入り、600Mbpsを超えていました。ドコモなどもタイで5Gローミングサービスを行っていますが、ローミングのため確実に5Gを掴むかどうかはわかりません。現地キャリアのeSIMならその点は万全で、バンコク市内で快適にスマートフォンを使うことができます。

 

室内のレストランで600Mbpsを超えた

 

③AISアプリでWi-Fiも無料になる

 

さてバンコクにあるいくつかのショッピングモールのうち、BTSのNational Stadium駅にあるMBK(マーブンクロンセンター)にはスマートフォンを販売する小さな店舗が集まるフロアがあります。コロナ以前はフロア全体がショップで埋め尽くされていたのですが、現在は全体の半分以下に規模は縮小されています。それでも最新製品から中古モデルまで様々な製品が販売されてるので、スマートフォン好きならば訪れることをお勧めします。

 

MBKの4Fはスマホフロアになっている

 

なお出所の怪しいものもあるので、極端に安いものなどには手を出さないほうが無難です。呼び込みをするお店もモノには気を付けたほうがいいでしょうね。日本人とわかると粗悪品やコピー品を売り込んでくる店もあるので注意してください。

 

中古スマホもずらりと並ぶ

 

このMBKでもスピードを計ってみたところ、下り641Mbpsと今回のバンコク滞在中で最大速度が出ました。しかも吹き抜けがあるとはいえ、ショッピングモールの上層階でこの速度です。バンコクの5Gのネットワークカバレッジは東京ですら大きく超えているようです。

 

MBKでは641Mbpsを記録した

 

ところでどれくらいデータを使ったかを調べようと、AISの公式アプリ「myAIS」をインストールしてみました。そしてたまたまですが、Wi-FiをONにしたところ、自動的にWi-Fiに接続されました。

 

公式アプリのmyAIS

 

AISはタイNo.1キャリアでもあり、ショッピングモールなどにも自社Wi-Fiサービスを展開しているのです。AISのeSIMをいれたスマートフォンは、そのWi-Fiサービスを無料、しかも自動で利用できるのです。スマートフォンのWi-Fiを常時ONにしておけば、AISのWi-FIがある場所なら自動的に接続してくれるわけです。速度は50Mbps程度でしたが十分でしょう。このおかげでショッピングモール内ではデータ使用量はほぼゼロでした。

 

AISのWi-Fiサービスに自動接続。速度は50Mbps程度

 

④TrueはSIMカードとeSIMの切り替え可能(次回テスト)

 

今回、実はAISのeSIMとは別にTrueのnano SIMカードも購入していました。AISがあれば十分ですが、他にもスマートフォンを持っているので予備として購入したのです。Trueの公式アプリを入れてみると、メニューに「Switch to eSIM」という項目が見えます。

 

TrueはSIMカードからeSIM切り替えができる

 

さっそくタップして指示に従い申請を行ってみました。ところが最後の画面で「eSIMにするためには開通後、30日以降」との表示が出てしまいました。TureのeSIMを使いたいのであれば最初からeSIMを買うか、あるいはnano SIMカードを30日以上維持して使い続ける必要があります。

 

eSIMへの切り替えは登録後30日が必要

 

⑤まとめ。日本からのローミングより圧倒的に便利

 

日本のキャリアのローミング料金と今回購入したAISのプリペイドeSIMを比較しようと考えましたが、AISは約1200円で8日間使え、しかも5Gの高速通信やWi-Fiサービスも利用できます。ここまで安くて使い勝手が高ければ、日本のローミングを使わずとも素直にAISのeSIMを買ったほうがお得だと感じます。もちろん1200円でも出費が惜しいという考えもあるかもしれませんが、日本からのローミングでは現地Wi-Fiは利用できませんから使えるデータ量も限られます。バンコクに関しては、8日以内の滞在ならば空港でAISの299バーツのeSIMを購入することをお勧めします。

 

バンコクは現地eSIM購入がお得だ

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