ロンドンヒースロー空港のプリペイド自販機がeSIM対応、24時間購入可能
イギリス・ロンドンの表玄関口の1つであるヒースロー空港。この空港にはプリペイドSIMの自販機があり、24時間いつでも手軽に購入することができました。これまでは物理SIMカードのみの販売でしたが、ついにeSIMの販売にも対応したのです。
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ヒースロー空港のeSIM自販機
イギリスはプリペイドSIMの購入に際しユーザー登録は不明のため、街中のスーパーや売店、スマートフォンショップなどあらゆるところでプリペイドSIMが販売されています。ヒースロー空港をはじめ他の一部の空港にはプリペイドSIM自販機があり、24時間いつでも購入することが可能です。2025年6月にヒースロー空港を訪れたところ、その自販機がeSIMに対応していました。
ヒースロー空港ターミナル5のプリペイドSIM自販機
今回この自販機を見つけたのはターミナル5ですが、おそらくターミナル3など他のターミナルでも同じ自販機が設置されているので、そちらもeSIMに対応していると思われます。
eSIMにも対応と表示
自販機には各社のプリペイドSIMカードの実商品が販売されていますが、右上の画面にタッチして商品から「eSIM」をタッチすると、購入できる商品の一覧が表示されます。商品数が多いので、全てを見る場合は画面をスクロールさせる必要があります。
プリペイドSIMの一覧が表示される
ここで画面左上にある「eSIM」をタッチ。するとeSIMのみが表示されます。今回販売されていたのは以下の商品でした。smartroamのみeSIMプロバイダ、他の2社はイギリスのMNOキャリアです。有効期限は1か月となります。
・smartroam:20GB、34.5ポンド(約6700円)
・EE:30GB、25ポンド(約4900円)
・EE:100GB、30ポンド(約5900円)
・EE:200GB、40ポンド(約7800円)
・EE:データ定額、50ポンド(約9800円)
・Three:200GB、30ポンド(約5900円)
価格は安くはなく、日本のローミングサービスのほうが割安な場合もあるでしょう。一方長期滞在などの場合はこれらの製品を買う方が便利です。筆者は6月にロンドンを2回訪問予定ということもあり、購入することにしました。
eSIMは6商品が販売されていた
自販機でeSIMを購入してみる
今回はEEの30GB、25ポンドを購入することにしました。画面から商品を選んでタッチすると、詳細が表示されます。特に難解なことは書かれていません。「Add to cart」をタッチして先に進みます。
EEのeSIMを選択
支払いはクレジットカードが利用可能。日本のクレジットカードで支払いを行います。
カードで支払い
支払いが終わると、画面内でeSIMの発行が開始されます。30秒ほど待つ必要がありました。
そのままeSIMの発行が行われる
無事発行が終われば、画面にeSIMのインストール情報が表示されます。画面を下にスクロールすればQRコードも表示されるため、このままスマートフォンのカメラを向けてeSIMをインストールすることもできます。ただし周りにいる人からも見えるので、なるべく早急に行ったほうがいいでしょう。
eSIM発行後、インストール情報が表示される
下にスクロールさせるとQRコードも表示される
なおレシートを発行するとそちらにもQRコードが表示されるので、後からインストールしたい人はレシートを鵜買うといいでしょう。
レシートにもeSIMのQRコードがある
空港の旅行代理店などはプランがお得
このように手軽に自販機で買えるeSIMですが、到着ロビーにある旅行代理店や両替所で販売されているeSIMは別のプランや、同じ料金でもよりデータ量が多いものが販売されていました。しかし時間によっては数名の先客がいて10分程度待つ必要がある場合もあります。確実に購入するなら自販機を、多少待つ可能性があってもいいなら旅行代理店などで買うのもいいでしょう。
到着ロビーの旅行代理店
よりお得なプランもある
ロンドン市内で快適な4G接続
それでは購入したeSIMをスマートフォン(日本販売のiPhone 12 mini)にインストールします。空港の無料Wi-Fiに接続後、eSIMをインストール。インストールが完了するとSMSで開通の知らせも届きます。Wi-FiをOFFにすれば無事使うことが可能になります。なおイギリスキャリアのeSIMなので、データローミングはONにする必要はありません。
指示に従ってインストール、開通後はSMSが届く。名前は「EE」に変更した
さっそくロンドン市内などで速度をテスト。速度は100Mbpsをマーク、200Mbpsを超えることもあり、かなり快適です。
4Gながら高速だ
しかしテムズ川、ロンドンブリッジでは20Mbpsと低速。観光地ですが市内からやや離れていること、観光客が多かったせいでしょうか。
ロンドンブリッジは低速
今回の最速は、EEがスポンサーとネットワーク設備も設置している郊外のウェンブリースタジアム周辺です。
ウェンブリースタジアムはEEが高速ネットワークを提供
速度は362Mbpsと、4Gとは思えぬ高速でした。MVNOやeSIMプロバイダとは異なり、地元キャリアかつスタジアム向けに高速ネットワークを設置しているとはいえ、ここまで出るとは驚きです。ロンドン訪問時はぜひ自販機でのeSIM購入も検討してみてください。
4Gとは思えぬ高速体験
香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。