登録不要、日本語で簡単に買える「きもちeSIM」をイタリア・ミラノで使う
今やeSIMはどれを得れべば良いのかわからないくらい種類が多く出ています。今回テストした「きもちeSIM」は日本のプロバイダが発行する製品で、ユーザー登録不要で気軽に買うことができます。イタリア・ミラノを訪問したので現地で購入して使ってみました。なおテストに使ったスマートフォンは日本販売のiPhone 12 miniです。
目次
日本語で安心、周遊プランがメインの「きもちeSIM」
きもちeSIMは日本のDDMが発行しています。そのため完全に日本語で購入ができるので安心です。サポートももちろん日本語対応になっています。世界各国のプランが提供されていますが、今回訪問するヨーロッパの場合は、国別ではなくエリアプランとなっています。
日本で発行されている「きもちeSIM」
ヨーロッパプランは料金体系は2つ、エリアが2種類あるので合計3プランがあります。
・1日あたりのデータ数 x 利用日数(33か国)
・利用日数中データ量固定(33か国)
・利用日数中データ量固定(55か国)
1日あたりのデータ数プランの場合、1日のデータ量を越えると128kbpsに速度制限がかかります。
イタリア向けプランの一例
アプリ無し、ブラウザから簡単購入
きもちeSIMの購入はPCからでもスマートフォンからでもブラウザからアクセスします。専用アプリはありません。アクセス後は国を選び、プランを選択します。今回は「イタリア」「1日2GB」「2日間」を買うことにします。
きもちeSIM
https://kimochiesim.com
スマホブラウザからアクセスして国とプランを選ぶ
その後は指示に従うだけ。次のページでは日数を選びます。イタリア1日2GBプランの1日の価格は384円ですが、2日なら266円プラス、3日なら530円プラス(265円/日)、4日なら819円プラス(273円/日)などと加算されていきますが、たしかに1日料金より加算分は割安です。
その後は「非会員で購入する」を選べばユーザー登録は不要。氏名、フリガナ、パスワード(自分で作成)、電話番号、E-mail、使用開始日(タッチするとカレンダーが表示される)を入力していきます。
日数を選び非会員で購入をしてみた
カレンダーで使用開始日を選択、この日の当日としてみました。下にスクロールさせていき、「同意します」にチェックを入れて注文を確定、次のページでクレジットカード情報を入力して購入を完了させます。
使用開始日を選んでカードで支払い
支払いが完了すると注文番号が表示されます。この画面には「注文履歴を見る」もありますが、タップしても現時点では紹介はできません。さて購入後どれくらいの時間で来るかも気になるところ。きもちeSIMはイタリア時間の土曜日のお昼前に注文して約7分でメールが届きました。大抵のeSIMは即座にQRコードが来るのですが、きもちeSIMはやや遅めなのかもしれません。
メールは約7分で届いた
あとはメールを開いてQRコードからインストール。指示に従うだけです。
QRコードからインストール
eSIMインストールが終わったら設定画面のモバイル通信を開きます。「個人」という名前でインストールされてしまったので、手動で「きもち」とこのeSIMに名称を付けました。Wi-FiをOFFにしても5G / 4Gのピクトが立たないのですが、データローミングをONにすると、すぐに通信が始まりました。
データローミングをONにして使用開始
通信速度は十分、速度制限後は低速
さっそくミラノ中央駅前でテストしてみました。アンテナピクトは5Gとなっています。通信速度は下り160Mbps、上り70Mbps。5Gにしては悪くないかもしれません。
ミラノ中央駅前
今度は地下鉄に乗ってみました。区間によっては電波がかなり弱くなることもありますが、調子のいいエリアでは4Gの表示ながら。下り150Mbps、上りは20Mbps。ここから察するに、おそらく接続が4Gでも5Gでも最高速度の上限は200Mbpsあたりに制限されていると思われます。
地下鉄のトンネル内の4Gでもこれだけ速度が出るエリアもある
なお記事巻頭の写真は有名な観光地、ドゥオーモ広場ですが上りは低速。観光客が多かったからかもしれません。さて今回買ったeSIMは1日2GBが上限、それを越すと速度制限です。アプリが無いため毎日のデータ通信量は設定画面から概算を確認する必要があります。
しかし1日目の使用量が不明で、2日目に使いつづける場合、2日目にどれくらい使えるかがわからないのがちょっと困ると思いました。たとえば今回購入したプランは1日2GBですが、初日の利用量が不明で、日付が変わるあたりでYouTubeを流しっぱなしでした。そして2日目に使い続けていたところ、合計3.3GBで速度が低下。つまり初日は1.3GBを使っていた計算になります。このあたりがアプリでわかるようになるといいのですけどね。
では実際に1日のデータ量を超えると速度はどれくらい落ちるでしょうか。公式には通信速度は128kbpsまで落ちるとのことでしたが、これは最大速度。実際に利用量をオーバーしてから使ってみたところ、速度は下り30kbps程度。メッセンジャーでもちょっと不自由する感じです。緊急用と考えたほうが良さそうです。
速度制限後の速度はかなり遅い
今回、きもちeSIMの1日容量プランを購入しましたが、快適に使うなら利用期間分の合計データ量のプランのほうがよさそうだと感じました。データをついつい流しっぱなしにする人は毎日のキャップがある1日容量プランがいいかもしれませんが、そのあたりはまめにデータ通信をOFFにするなど対応すればいいかもしれません。いずれにせよきもちeSIMの購入方法は簡単であり、急な海外渡航時に現地到着後、空港で急いでeSIMを買うときも便利に使うことができそうです。
香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。