山根康宏のワールドeSIMレポート
2024年9月27日

6分で購入完了、香港でユーザー登録不要のeSIMを使ってみた

香港はプリペイドSIMカード、プリペイドeSIMを使うときにユーザー登録が必要です。登録作業は簡単なステップで済むものの面倒であることに変わりはありません。そこで登録なしで使えるeSIMを購入して試してみました。なおスマートフォンは日本販売のiPhone 12 miniです。

香港とマカオはユーザー登録が必要

以前は自由にプリペイドSIMカードが買えた香港も、今ではユーザー登録が必要となったため購入がやや面倒になってしまいました。そのあおりを受けて香港名物ともいえる「SiM屋台」も最近は活気がありません。なおマカオも同様にプリペイドは登録が必要です。

eSIM登場で消えゆく香港の「SIM屋台」
https://esim.love/blog/2024/06/28/2394/

ネットで香港用のeSIMを検索すると、多数の商品が見つかります。しかし説明を見ると「ユーザー登録必要」と書かれているものが多くみられます。それは香港キャリアの販売するeSIMです。また商品案内ページに記載はないものの、eSIM購入後のメールにその案内があったり、あるいはeSIMインストール後にデータ通信ができないと思ったら「先にユーザー登録をしてください」とSMSが届くこともあります。

香港キャリアのeSIMはユーザー登録が必要だ

筆者は香港在住ですが、端末テスト用にeSIMをよく買っています。しかしeSIMの実名登録がうまくいかなかったことが数回ありあました。そのためグリーバルeSIMプロバイダの商品もよく購入しています。グローバル対応eSIMは香港でローミング利用するものがあり、そちらはユーザー登録が不要で使えます。今回は購入までのステップが簡単だった、SailyのeSIMを使ってみました。

グローバルeSIMプロバイダのSaily

Sailyの香港eSIMは以下のプランがあります。通信回線は4Gまでに対応です。

・1GB / 7日間:3.99ドル(約580円)
・3GB / 30日間:6.99ドル(約1020円)
・5GB / 30日間:9.99ドル(約1460円)
・10GB / 30日間:16.99ドル(約2480円)
・20GB / 30日間:25.99ドル(約3800円)

アプリから買えるSailyのeSIM、購入ステップも簡単

Sailyはアプリがあるのでスマートフォンからの購入が簡単です。しかもApple IDやGoogleアカウントの登録がいるものの、住所などの入力も無く少ないステップで購入可能、さらに購入後の画面からそのままeSIMのインストールができます。アプリインストール後の画面ではすぐにログインを求められます。その後ログインすると、購入プランが無いというトップページが表示されます。今回はGoogleアカウントでログインしました。

アプリを入れたらまずはApple IDかGoogleアカウントでログイン

国から香港を検索。今回は3GB / 30日を選びます。続行すると注文内容の確認ページに。

香港を選んでプランを選択

スクロールして支払い方法を選びます。今回はGoogleアカウントでログインしていることもありGoogle Payで。クレジットカードの確認をした後、すぐに購入が完了しました。購入までのステップはかなり少ないと感じられます。

そのままGoogle Payで支払い、すぐに購入できた

購入後の画面の「eSIMプランをご確認ください」をタップすると、次の画面でそのままeSIMのインストールへ。説明に従い進むと、1GLOBALというプロバイダのeSIMとしてインストールされることがわかります。スクリーンショットの時間を見るとわかりますが、購入からeSIM利用開始までかかった時間は6分。あっという間に使い始めることができました。

eSIMのインストールもそのまま行える

そしてインストールが終わったら、eSIMの名前を適当なものに変更(今回はSaily)。Wi-Fiをオフにすると、アンテナピクトの横にLTEの表記が表示されデータ通信が始まりました。なおデータローミングはOFFのままで香港では使えました。再びアプリに戻ると、eSIMのインストールが完了したことが表示されます。

Wi-FiをOFFにするとすぐデータ通信が始まった

通信速度は十分、アプリから概算残量も確認可能

香港市内で使ってみました。屋外ではだいたい40Mbps前後、ビルの中では10Mbpsに落ちることもありましたが、極端に低速ということはありませんでした。4G接続としては十分一般的な速度です。また上りは1から2Mbps、こちらはちょっと低速ですが使えないレベルではありませんでした。なおアプリではeSIMのデータ残量(0.1GB単位)と残り有効時間が表示されるので使いやすいと思います。

繁華街ではだいたい下り40Mbps、上りは1Mbps前後。アプリで残量を確認可能

香港滞在中も快適に使える

日本からのローミングとの比較・まとめ

Sailyの料金体系は1GBプランが7日間以外は、3GB、5GB、10G、30GBいずれも30日間有効のため、単純に日本のキャリアの国際ローミングサービスとは比較しにくいところもあります。日本の契約回線でギガが余っているなら国際ローミングをそのまま使ってもいいかもしれません。

とはいえSailyのeSIMも価格は比較的リーズナブルと言えます。動画を頻繁に見るのではなく、SNSでの連絡や現地で地図検索程度に使うなら十分競争力があります。以下、Sailyの価格(日本円概算)とドコモの世界どこでもギガを比較します。

・1GB / 7日間:約580円 
・3GB / 30日間:約1020円 — ドコモ 24時間:980円
・5GB / 30日間:約1460円 — ドコモ 2日間:1780円
・10GB / 30日間:約2480円 — ドコモ 3日間:2480円
・20GB / 30日間:約3800円 — ドコモ 5日間:3980円

今回使ったSailyのeSIMは日本との価格比較というよりも、他社が販売するユーザー登録が必要なeSIMより簡単に使えることを重視して選びました。そのため価格だけを考えるとさらに安いeSIMもあるかもしれません。しかし6分で買える気軽さはなかなか他にはないかもしれません。香港eSIMは今後もまた紹介する予定です。

最新の投稿

連載特集

  • 木暮祐一のeSIM奮闘記
  • 山根康宏のワールドeSIMレポート

タグ