三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」はeSIM利用にも便利、実機をチェック

本体を三つに折りたためるスマートフォン「Galaxy Z TriFold」をサムスンが発表しました。韓国での発売を皮切りに、台湾やシンガポール、アメリカなどで発売予定です。従来からある二つ折りスマートフォンより画面の広さや分割表示で利点があり、eSIMの利用にも便利な製品といえます。実機を触ってみたので写真で紹介しましょう。
目次
タブレットとスマホの完全融合モデル
一般的なスマートフォンはどのモデルもディスプレイが縦に長い形状をしていますが、現在発売されている折りたたみスマートフォンは正方形のディスプレイを半分に折りたたむことが可能で、開けば正方形のタブレット、閉じれば普通のスマートフォンとして使えます。ところがサムスンのGalaxy Z TriFoldは4:3の比率の長方形のディスプレイを搭載し、タブレットとして使えると同時に、左右から折りたたむと普通のスマートフォンに変形するのです。

開いた姿はタブレット

ディスプレイを曲げて折りたためる
完全に折りたたんだ姿は普通のスマートフォンと変わりません。6.5インチ、21:9のディスプレイはやや縦に長いものの、ソニーの以前の「Xperia」シリーズのスマートフォンと同じ縦横比です。しかもチップセットにはQualcommのSnapdragon 8 Elite for Galaxyを搭載。最新のチップセットと比べると1世代前のモデルですが、もちろん今でも十分高性能。高度なゲームやビデオ編集なども楽にこなせます。

閉じた姿は普通のスマホだ
ただし折りたたんだときの厚みは12.9mmと、スマートフォンとしてはちょっと厚く感じます。重量も309gとずっしりとした重さがあります。でも考えてみればGalaxy Z TriFoldは開いた姿はタブレットですから、このクラスの製品としては重量は許容できる範囲でしょう。

厚さと重さは普通のスマートフォンよりも増している
ちなみに完全に開いたときの厚さは3.9mmで、これはタブレットとしてもかなり薄いサイズです。アップルが2024年に出した「iPad Pro」の11インチモデルは5.1mmですが、それよりも薄いわけです。なおこの薄さの中に5600mAhのバッテリーを内蔵しています。

タブレットとしては最薄クラス
カメラは広角が2億画素で、1200万画素の超広角、1000万画素の3倍望遠を搭載します。ボディーはセラミックガラス繊維強化ポリマーを採用してますが、カーボン素材風のテクスチャで仕上げています。

高画質な3つのカメラを搭載
最大3つのアプリを表示可能、eSIM選びも楽になる
Galaxy Z TriFoldの最大の利点は10インチタブレットを普段は折りたたんでポケットに入れて持ち運べることです。本製品のネット上の反応を見ると「これはすばらしい」という意見とは反対に、「タブレットを持てばいい」という意見も見られます。しかし手ぶら姿で出かける際、10インチのタブレットを持ち運ぶのは現実的でhありません。Galaxy Z TriFoldは片手でも楽に持ち運びできるのです。

片手サイズのスマートフォンが10インチタブレットになる
そして10インチの画面を最大3分割して使うことができます。すなわち3つのアプリを同時に使うことができるのです。この使い方は「情報検索を行い、その詳細情報をさらに調べる」という用途の時に便利。たとえば「海外の旅行先情報を検索」、「その国対応のeSIMを調べる」、「そのeSIMの詳細を見る」という作業が1画面でできるわけです。いちいち画面切り替えをする必要もありません。

3つのアプリを便利に使える
アプリの配置は3列だけではなく、2つを上下にも並べられます。左側で検索、右側の上で動画を見ながら、その下でSNSを表示、といったことも無理なくできるわけです。この画面配置はサムスンの二つ折りのスマートフォンでもできましたが、3つのウィンドウを使うには画面が狭すぎます。三つ折りスマートフォンだからこそこのような表示が実用的なのです。

3つのアプリの有効利用の例
本体を縦にすれば電車の中で使うときも邪魔になりません。3つのアプリをどう使うかは人それぞれ、様々なアイディアが浮かぶのではないでしょうか?

縦表示でも3つのアプリが使える
韓国価格は38万円、日本発売はあるか?
Galaxy Z TriFoldは韓国で2025年12月12日に発売、価格は約38万円(359万400ウォン)です。現時点での発売予定国は中国と台湾、シンガポール、アラブ首長国連邦、アメリカです。なお中国では12月19日から発売になります。

サムスン中国の発売案内
Galaxy Z TriFoldは販売国の数が少なく、現時点では日本での発売予定はアナウンスされていません。生産台数が少ないことや、一般的なスマートフォンや二つ折りスマートフォンよりも可動部分が多く、修理対応などアフターサービスをしっかり行える国のみでの販売に留められているのでしょう。幸いなことに韓国や台湾は日本に近く、旅行や仕事で訪れる人も多いでしょう。この冬それらの国を訪問する予定のある人は、ぜひサムスンの店舗でGalaxy Z TriFoldを実際に試してみてほしいと思います。

韓国のサムスンストア(弘大店)
香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。


