eSIM対応タブレットとは?対応機種一覧・選び方・設定方法まで徹底解説

近年、スマートフォンだけでなくタブレットでも「eSIM(イーシム)」に対応したモデルが増えています。物理SIMカードを差し替えることなく、オンラインで通信プランを切り替えられる利便性から、外出先での業務や学習用途において注目を集めています。
特に、iPadやSurface、Galaxyなど主要メーカーがeSIM搭載モデルを展開し始めたことで、タブレットの通信スタイルは大きく変化しています。
この記事では、eSIM対応タブレットの仕組みや対応機種、メリット・デメリット、選び方のポイントを解説します。
目次
eSIMとは
eSIM(イーシム)とは、「Embedded SIM(組み込み型SIM)」の略で、スマートフォンやタブレットに内蔵されたデジタルSIMのことです。従来のように物理SIMカードを挿入する必要がなく、端末内部のチップに通信情報を書き込むことで利用できます。オンラインで通信プランを契約し、QRコードを読み取るだけで即時に開通できるため、SIMカードの到着を待つ手間がなく、キャリア変更も簡単です。
近年はiPadやSurfaceなど主要メーカーのタブレットでも標準搭載が進み、個人利用はもちろん、ビジネスや教育現場でも活用が広がっています。
eSIM対応しているタブレットの機種とは
タブレット市場では、通信技術の進化が著しく進んでいます。従来は物理SIMカードを挿入して通信するのが一般的でしたが、近年はeSIMの普及により、タブレットでもeSIM対応モデルが次々に登場しています。以下では、現在市場で入手可能な主なeSIM対応タブレットを紹介します。
| メーカー | 掲載モデル |
|---|---|
| Apple (アップル) | iPad Pro (第3世代以降) iPad Air (第4世代以降) iPad (第7世代以降) iPad mini (第5世代以降) |
| Microsoft (マイクロソフト) | Surface DuoSurface Go 2 Surface Go 3 New Surface Pro 7+ Surface Pro LTE Surface Pro XSurface Pro 5 LTE AdvancedSurface Pro 8 |
| Samsung (サムスン) | Samsung Tab S9 FE+ 5G |
| SHARP (シャープ) | SH-T04Cdtab d-51C |
| Panasonic (パナソニック) | TOUGHBOOK FZ-G2 NBMBPAJFZ-G2 EBJBPKJFZ-G2 ABHBEAJ FZ-40E |
| HUAWEI (ファーウェイ) | MatePad Pro 5G MatePad Pro 12.6 MatePad 11 MatePad 10.4 |
こうしたモデルは、Wi-Fiモデルと比較して、外出先でも単体で通信できる柔軟性が高く評価され、個人利用だけでなく法人でのニーズも拡大しています。特にビジネスシーンでは、テザリングや公共Wi-Fiに頼らず安全に通信できる点が重視され、営業職や現場作業での導入が進んでいます。
eSIM対応タブレットのメリット
eSIM対応タブレットには、従来の物理SIMカードを使用するモデルにはない多くの利点があります。ここでは、eSIM対応タブレットの主なメリットを3つ詳しく解説していきます。
オンラインで開通できる
eSIMの最大のメリットは、契約から開通までをすべてオンラインで完結できる点です。従来の物理SIMカードでは、契約後にSIMカードが郵送されるまで数日待つ必要がありましたが、eSIMなら待ち時間なしで即日開通が可能となっています。
現在、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルといった大手キャリアをはじめ多くの通信会社が対応可能となっており、対応端末や対応キャリアは今後さらに拡大すると見られます。
物理的な手間がない
eSIMは物理SIMカードの抜き差しが不要な点も魅力のひとつです。従来のSIMカードでは、端末のSIMトレイをSIMピンで開けて挿入する作業が必要でしたが、タブレットの場合はトレイの構造が複雑な機種も多く、取り扱いに不安を感じるユーザーも少なくありませんでした。
端末を開けずに設定画面から操作でき、SIMスロットの破損やカード紛失のリスクも軽減できます。このため、防水・防塵性能を保ちやすく、屋外利用や業務用途でも信頼性が高まる点も大きな利点です。
デュアルSIMの利用が可能
従来は1枚の物理SIMで1つの通信契約を利用するのが一般的でしたが、ビジネス利用や海外出張などでは複数回線を使い分けたいというニーズが高まっています。
デュアルSIM環境では、通信障害時のバックアップ回線を確保できるほか、利用目的に応じて最適なデータプランを選択できるため、通信費の節約にも効果的です。eSIMの導入は利便性だけでなく、コスト面や運用効率の向上にも大きく貢献しています。
eSIM対応タブレットのデメリット
eSIM対応タブレットには多くのメリットがある一方で、いくつか注意すべきデメリットも存在します。購入前にこれらのデメリットを理解しておくことで、自分の使い方に合った選択ができるようになります。ここでは、eSIM対応タブレットの主なデメリットを3つ詳しく解説します。
対応端末が限定される
eSIM対応端末はスマートフォンで急速に普及する一方、タブレット市場ではまだ限定的です。特にAndroidタブレットはメーカーや販売地域で対応可否が異なります。
Appleは早期からiPadでのeSIM対応を推進していますが、Windowsタブレットや一部Android端末は未対応または一部機種のみ対応の状況が続いています。購入前に利用予定のキャリアが当該端末を正式対応させているかを確認することが欠かせません。
機種変更や故障時に手間がかかる
eSIMは端末内部にプロファイル情報を保存しているため、物理SIMのようにカードを差し替えるだけでは利用を移行できません。機種変更や修理時には、キャリアでのeSIM再発行手続きが必要です。
キャリアによっては再発行に数日かかり、一時的に通信が利用できなくなることもあります。こうしたトラブルを避けるため、eSIM再発行手順の事前確認が重要です。
初期設定に手間がかかる
eSIMは物理SIMのようにカードを挿すだけではなく、QRコードの読み込みやプロファイルのインストールなど、複数の設定操作が必要になります。そのため、初めて利用するユーザーにとっては手順や「プロファイル」という概念が分かりづらく感じられることも少なくありません。
現在、大手キャリアでは自動設定機能の導入が進んでおり、今後は操作の標準化とサポート体制の充実による利便性向上が期待されています。
eSIM対応タブレットを選ぶポイント
eSIMの利便性を最大限に活かすには、自分に合ったタブレット選びが重要です。ここでは、eSIM対応タブレットを選ぶ際に押さえるべき主要なポイントを解説します。
用途に合わせた通信プラン選び
eSIM対応タブレットの利用シーンは多様で、動画視聴や業務利用など目的に応じた通信プラン選びが重要です。用途に合わないプランを選ぶと通信制限やコスト増につながります。データ専用プランは動画やSNS利用に最適で、プリペイドプランは短期利用に便利です。
月額定額プランは長期的にコストを抑えやすく、海外ローミング対応プランは出張時に活躍します。自宅にWi-Fi環境があれば低容量プランで十分ですが、屋外利用が多い場合は20〜50GBの中容量以上を選びましょう。
複数キャリアのeSIMを併用してエリアや価格で使い分けることで、最適な通信環境を実現できます。
▼ データ使用量の見積もり方法はこちらからも確認できます
海外旅行でおすすめなeSIMとは?eSIMのメリットや選び方、セキュリティについて紹介
対応バンド・キャリアの確認
eSIM対応タブレットであっても、対応している周波数帯(バンド)が利用するキャリアの電波帯域と一致していなければ通信できない場合があります。特に地方や建物内では、電波が届きやすい低周波帯への対応が重要です。
ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなど主要キャリアはそれぞれ異なるバンドを使用しており、端末がそれをサポートしているか確認する必要があります。安定した通信を確保するためには、利用予定のキャリア公式サイトで動作確認済み機種かどうかを必ずチェックしましょう。
複数バンド対応の端末であれば、屋内や地方でもより安定した通信が期待できます。
コストパフォーマンスと端末性能のバランス
タブレット選びでは「高性能=高価格」となりがちですが、すべてのユーザーが最先端スペックを求めているわけではありません。Web閲覧や動画視聴、オンライン会議などの日常用途であれば、中程度のCPU・GPU性能でも十分に快適に動作します。
一方、ゲームや動画編集など高負荷な作業には高スペックが必要です。バランス重視で選ぶなら、RAMは8GB、ストレージは128GB程度を確保し、将来のOS更新にも対応できる余裕を持つことが理想です。
さらに、eSIM対応やバッテリー容量、ディスプレイ性能なども含めて総合的に比較し、価格との釣り合いを見極めることが真の「コストパフォーマンス」につながります。
eSIMの設定方法と使い方
eSIMは従来のSIMカードと異なり、端末内にデジタルで保存されるため、カードの差し替えが不要です。しかし初期設定や管理方法は従来と異なります。ここでは、eSIMを正しく設定し、快適に利用するための手順と注意点を、わかりやすく解説します。
QRコードによるプロファイル設定
eSIMの設定で最も一般的なのが、QRコードを用いたプロファイル設定方式です。通信事業者は契約時にQRコードを発行し、ユーザーが端末で読み取ることで通信プロファイルをインストールできます。設定にはWi-Fiや別の通信手段によるインターネット接続が必要です。手順は以下のとおりです。
- 1.端末の「設定」を開く
- 2.「モバイル通信」を選択
- 3.「eSIMを追加」または「モバイル通信プランを追加」をタップ
- 4.「QRコードを使用」を選択
- 5.QRコードを読み取る
- 6.プロファイルが自動的にダウンロード・インストールされる
コード有効期限や印刷品質、端末対応性によっては読み取りに影響を及ぼすことがあるため、扱いには注意が必要です。不明な点がある場合には、通信会社やメーカーに問い合わせすることが推奨されます。
再設定・乗り換え時の注意点
eSIMの機種変更やキャリア乗り換えでは、QRコードを再読み取りするだけで完了しないケースが多く、不適切な手順は通信不能やプロファイルの無効化につながる恐れがあります。旧eSIMの削除は慎重に行い、誤って削除すると再発行が必要になるため注意が必要です。
乗り換え時は、契約解除・新規契約・eSIM発行の順序とタイミングをキャリアの案内で確認しましょう。SMS認証や本人確認書類が必要な場合もあるため、事前準備が重要です。切り替え後は通信テストを実施し、設定反映を確認するとともに、再発行を悪用した不正アクセス防止のためパスワード管理も徹底しましょう。
eSIM対応タブレットに関するよくある質問(Q&A)
ここでは、eSIM対応タブレットに関するよくある質問をまとめました。タブレット選びから設定、運用など、各段階での不安解消にお役立てください。
タブレットがeSIMに対応しているか確認する方法は?
ここではOS別にeSIM対応可否を確認する方法を紹介します。
Apple iPadの場合
「設定」→「モバイルデータ通信」を開き、「モバイルデータプランを追加」が表示されればeSIM対応です。
Androidタブレットの場合
「設定」→「ネットワーク」または「接続」を開き、「SIMカード」または「eSIM」の項目があるか確認してください。表示されていればeSIMに対応しています。
ただし同じブランドでも一部の高性能機種のみ対応しているケースが多いため、型番まで確認することが重要です。
eSIMが使えないキャリアは?
大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)ではeSIM対応プランを提供しているため、契約に問題はありません。eSIMが使えない場合は、端末がeSIM非対応である、SIMロックがかかっている、またはキャリア側の設定が未完了といった原因が考えられます。使用できない場合は、これらの点を確認してください。
eSIMとWi-Fiどっちがいい?
eSIMとWi-Fiは、利用目的や状況によって最適な選択が異なります。一人旅や手軽さを重視するならeSIMがおすすめです。契約から利用までの手続きが簡単で、複数デバイスの管理が不要です。
一方、複数人や複数デバイスで通信を共有したい場合はWi-Fiが適しています。コスト効率も良く、同時接続できるデバイス数が多いため、ファミリー向けに最適です。
eSIMの1日何ギガが目安ですか?
eSIMの1日のデータ利用量は、使い方によって異なりますが、目安として1日1GBを基準に考えるのがおすすめです。SNS閲覧やメール、軽い動画視聴程度ならこれで十分です。
一方、高画質動画をよく視聴したり、大容量ファイルをダウンロードしたりする場合は、さらに多めのプランを選ぶと安心です。自分の利用パターンを把握して、最適なプラン容量を選択してください。
プリペイドeSIMはどこを選んだらいい?
eSIM対応タブレットについていろいろ紹介してきましたが、ではどこのeSIMはどこを選んだらいいのか悩みますよね。おすすめは、ずばり「プリペイドeSIM」です。おすすめポイントは以下の3点です。

参考:プリペイドeSIM(https://prepay-sim.com/c/esim)
・豊富なプランと安心のドコモ回線
「プリペイドeSIM」は、「135GB(91日間)プラン」や、「90GB(61日間)プラン」、「3GB(8日間)プラン」など日本国内向けにデータ通信量や利用期間が異なる様々なプランを揃えています。
さらに、国内最大キャリアであるドコモの回線を利用しているため、山間部や沿岸部、地下といった電波が届きにくい場所でも繋がりやすかったり、混雑しやすい時間帯も速度が落ちずに快適に通信が繋がりやすかったりします。
・チャージで繰り返し利用可能
「プリペイドeSIM」では、利用期間およびデータ容量が残っており、かつモバイル・プランニングから購入されたSIMであれば、チャージにより繰り返し利用することが可能です。そのため、利用期間に余裕はあるものの、データ容量が残り少なく、利用できなくなると困る場合におすすめです。
ただし、毎週火曜22時から翌水曜9時までのメンテナンス中に購入された場合は、メンテナンス終了後にチャージが反映されますので、注意が必要です。あわせて、本サービスは海外では利用できず、日本国内のみで利用可能である点にもご注意ください。
・充実したサポート体制とわかりやすい設定ガイド
「プリペイドeSIM」は、初めてプリペイドeSIMを使用するユーザーでも安心して利用できるよう、充実したサポート体制を整えています。
また、電話相談可能なサポートセンターがあり、疑問や問題が発生した場合でも安心してサポートを受けられます。また、FAQセクションや設定ガイドも充実しており、簡単に設定方法を確認できます。
まとめ
eSIM対応タブレットは、物理SIMに比べて設定や通信管理が手軽で、場所を選ばず柔軟に使える点が魅力です。一方で、対応端末や初期設定の手順など、購入前に確認すべきポイントも存在します。自分の利用目的に合った機種とプランを選ぶことで、コストと利便性の両立が可能になります。
今後もeSIM対応モデルは拡大が見込まれており、タブレットのモバイル通信はよりスマートで自由な時代へ進化していくでしょう。本記事がタブレットでeSIMを利用する際の参考になれば幸いです。
eSIM.loveは、eSIMの設定方法や海外旅行での活用を解説する専門メディア。株式会社モバイル・プランニングが運営。2009年創業の通信のプロとして、NETAGEのWiFiレンタルや2023年からのeSIM・プリペイドSIM販売(プリペイドSIMどっとこむ)で通信をサポート。木暮祐一(モバイル通信専門家)、山根康宏(海外通信研究家)の寄稿で最新情報をお届け!


