iPhone 17シリーズの普及でeSIMの認知はどこまで高まる?!
iPhone 17シリーズがeSIM専用モデルとしてデビューしたことで、一気にeSIMの認知は高まっていると思います。さる9月2日に、ソフトバンクのオンライン専用ブランドである「LINEMO」が全国のスマホ利用者2,100人を対象に「スマートフォンとeSIMに関する実態調査」を実施し、その結果を公表しています。iPhone 17発表前の段階ではありますが、わが国のスマホユーザーのeSIMに対する認識の実態として興味深いものですのでご紹介したいと思います。
目次
eSIMは意識と体験の間にギャップが存在
まずeSIMの認知率ですが、76％のユーザーが認知しているという結果だったものの、心理的なハードルを背景に利用率はまだ31％にとどまる結果となりました。一方eSIM経験者の83％は手続きや設定が「簡単だった」と回答するなど、意識と体験の間に大きなギャップが存在する「eSIM食わず嫌い」が浮き彫りとなりました。
年代別にみると20代では41％が利用しており、他の世代に比べて突出して高い利用率となりました。一方で50代では25％、60代では24％にとどまり、若年層と中高年層の間でeSIMの普及率に大きな差がある結果となりました。
eSIMを利用しない理由
eSIMを利用していない理由としては、「設定方法がわからない／難しそう」（22％）や「手続きが面倒そう」（21％）といった回答が多い結果となりました。
しかし、実際の利用経験者の8割以上が、「簡単・問題なくできた」と回答。利用前の不安と実際の体験には大きなギャップがあることが浮き彫りとなりました。この結果から、「難しそう」という思い込みによってeSIMを避けてしまう“eSIM食わず嫌い” の実態があるといえます。
eSIMを使う理由
eSIMを利用する理由には「旅行用」「仕事とプライベートの使い分け」「デュアルSIM利用」など多岐にわたる中で、20代は26％が「推し活」を目的に利用をしていることが分かりました。30代～60代では「推し活」を目的にした利用は10％にとどまるため、推し活が盛んなZ世代においてはeSIMが他の年代の約2倍の人たちがeSIMを重要視されている結果となりました。
何で推し活?!、と調べてみると、推し活で海外に出かけるユーザーも多く、そうしたユーザー層に海外旅行用のeSIMサービスが定着しているからなのだそう。なるほど！
（出典）
LINEMO週穫祭「スマートフォンとeSIMに関する実態調査」
https://www.linemo.jp/info/press/2025/25090202.html
世界の中で日本はiPhone 17の価格が安価だが…
iPhone 17発売でeSIMに対する注目がますます高まっていることを期待しているeSIM.loveですが、そのiPhone 17は世界39の国・地域の中で2番目に安値だったという調査結果も報告されています。MM総研が9月25日に公表した、世界39の国・地域を対象にiPhoneの販売価格の調査結果によると、日本はiPhone 17で39の国・地域の中で2番目に安く、iPhone 17 Pro及びiPhone 17 Pro Maxの2モデルは3番目に安く、iPhone Airに至っては最安国でした。
ちなみにiPhone17の販売価格で見てみると、日本では129,800円で2番目に安い国でした。最安は中国（124,157円）、3番目は香港（130,564円）、4番目はアップルが本社を構える米国（133,044円）、5番目はオーストラリア（135,799円）でした。日本以外の平均は159,349円で日本よりも約29,500円高く、また最高値はトルコ（278,534円）で、日本の約2.2倍となっています。
一方でMM総研では、iPhoneの購入のしやすさを比較するため、iPhone 17の価格が年間の平均所得に占める比率を「iPhone指数」として算出しています。これによると、日本のiPhone指数は2.59％で、39の国・地域の中で23番目（小さい順）と下位に位置しています。所得がなかなか増えない日本、iPhone自体の価格は世界の中でも安価とはいえ、所得に占めるスマホ購入費の割合は世界的にみると厳しい状況にあるということのようです。
（出典）
MM総研
日本のiPhone販売価格は世界39の国・地域の中で安値水準
「世界のiPhone販売価格調査（2025年9月）」
https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=692
名桜大学人間健康学部健康情報学科教授。’90年代から携帯電話端末のレビューやサービスの解説を行ってきた。携帯電話情報サイトの編集長などを務めた後、2009年に大学教員に転身。以後スマートフォンの社会での活用などを研究テーマとして活躍。現在は医療・ヘルスケア分野へのデジタルデバイスの応用を中心に研究に従事。携帯電話コレクターとしても知られる。
