4Gでも200Mbps、高速通信可能なeSIM「Nomad」をアメリカで使う
今回のeSIMのテストはアメリカ・ニューヨーク。数あるeSIM製品の中から、Nomadの製品を試しました。データプランが細かいことから、滞在日数に応じて最適なプランが使えると考えたからです。実際に使ってみたところ、回線速度も速く快適に使うことができました。なお使用したスマートフォンは日本発売のグーグル「Pixel 9」です。
目次
豊富なプランが魅力のNomad
Nomadは世界200か国以上に対応するeSIMを販売しているプロバイダです。今回訪問したアメリカ向けにも「アメリカeSIM」「アメリカを含むグローバルeSIM」と複数の製品があり、他の国も滞在するときにも選べる製品が提供されています。
Nomad:https://www.getnomad.app/ja/
世界各国対応のNomad
アメリカ国内向けプランは豊富で、最低プランは5ドル1GB、7日から、最大で27ドル(プロモーション価格)50GB、27日と大容量もそろっています。また無制限プランもありますが、こちらは1日2GBのデータ利用量を超えると1Mbpsに速度が低下します。データ容量プランは現地キャリアのAT&TまたはVerizon、無制限プランはT-MobileまたはVerizonに接続するとのこと。通信回線は5G / 4G / 3G / 2Gにつながります。
アメリカプラン
今回は滞在が5日ですが、1日だけ動画配信などを行うことから1日あたり2GBの利用を超える可能性があるため、データ定額プランは選びませんでした。5日間のデータ利用量は10GBあれば十分、ということで15ドル(約2200円)、10GB、30日プランを選ぶことにしました。
アプリから簡単購入・インストール
Nomadの製品はWEBからも購入できますが、アプリを使えばデータ残量の確認も用意なのでアプリから行いました。アプリストアから「Nomad eSIM」で検索すればインストール可能です。スマートフォンがWi-Fiに接続されていることを確認してからアプリをインストール。ユーザー登録が必要なのでプロフィールから行いました。今回はGoogleアカウントで登録しています。
そのあとは検索ウィンドウにアメリカと入力。プランが出てくるので好みのものを選びます。
アプリインストール後ユーザー登録し、プランを選ぶ
プランは前述したように10GBを選択しました。次の画面では細かい詳細が表示されるのも好感がもてます。なおデータを使い切ってもアプリからアドオンとして料金を追加できるのが便利。購入後使い切りのeSIMは改めてeSIMを購入・インストールしなくてはならないので、Nomadのアドオン方式は万が一データが足りなくなっても簡単に追加できます。支払いはPayPalまたはクレジットカードで行います。
プラン選択後に説明が表示される
購入後は処理中の画面となりますが、1分待たずに購入が完了となりました。そのあとは画面の指示に従うだけと簡単です。
購入後は指示に従う
画面にQRコードが表示されたら、これをインストールします。なおあらかじめGoogleアカウントでユーザー登録しており、購入後はeSIMの詳細が記載されたメールも届きます。今回はメールの画面をスマートフォンで読み取ってeSIMインストールを続けます。インストールされるeSIMは「Liberty PR」と出ますが、これはアメリカのMVNOキャリア。すなわち海外キャリアのローミングではなく、アメリカの地元キャリアのサービスが使われます。
QRコードからインストール
インストール後は設定画面からeSIMを確認します。今回はAndrodのためiPhoneの「仕事」といったわかりにくいeSIM名称ではなく、インストール時に表示された名前でインストールされました。なおNomadのeSIMは基本的にローミングをONにする必要がありますが、今回購入したものはアメリカキャリアの回線ということもあり、ローミングはOFFでつながります。
Wi-FiをOFFにすれば無事アンテナピクト横にLTEの表示がされます。アプリを開くと購入したeSIMも表示されました。
ローミングはOFFでもつながった。アプリで詳細を確認できる
4Gで最大200Mbpsと快適速度
さっそくニューヨークの街中でつかってみました。まず結論から言うと5G回線にはつながらず、マンハッタン、ブルックリンの主要エリアはすべて4G接続でした。とはいえニューヨークの中心地、タイムズスクエア付近で速度を計ったところ、100Mbps以上を記録し速度はかなり高速です。
マンハッタンで100Mbps
ただし人が多いことからか、場所によっては20から50Mbpsと速度は落ちます。とはいえ数Mbpsという低速になることはなく、十分快適な速度と感じました。
写真はぼけてしまっているが、タイムズスクエアでも50Mbps程度に落ちることも
今回最速だったのはマディソンスクエアーパークで240Mbpsを記録しました。こまで速度が出るパフォーマンスを持っているということは、エリアによっては常に高速で利用することができるでしょう。
今回の最高速度
日本からのローミングの場合はソフトバンクのアメリカ放題を使うとローミング料金不要、無料でアメリカで使うことができます。ただし筆者の場合は過去にあまり速度が出なかった経験もあり、またNomadのeSIMが快適だったため、アメリカ放題の速度を計るのを失念してしまいました。ahamoなど日本のローミングもアメリカでは使えますが、今回のNomadのeSIMは4Gながらストレスない速度が利用できるということで、お勧めできる製品だと感じました。
香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。