eSIM市場は2032年までに急成長へ、Fortune Business Insightsがレポート
Fortune Business Insights(インド・マハラシュトラ州)はこのほど、「世界eSIM市場規模・業界分析・地域別予測」などの調査レポートを公表すると共に法人向けにデータの販売を開始しました。
目次
eSIM市場、2032年までに急成長へ
Fortune Business Insightsによると、2023年のグローバルeSIM市場規模は約12.2億ドルでしたが、2032年には629億ドルまで拡大する見通しです。これは、2024年~2032年の年平均成長率(CAGR)が 約20% に達する驚異的な成長率であることを示しています。
北米では、アップルやグーグルなどの主要企業がeSIMデバイス普及の後押しにより、2023年に36.70%の市場シェアを獲得しました。そして最も急速に成長している地域としてアジア太平洋地域が挙げられ、デジタル化、ハイテクソリューションの普及拡大が進み、インド、韓国、日本における消費者需要の高まりにより最も急速に成長している地域と評価しています。
コネクテッドカーの需要増加が市場成長を促進
アプリケーション別に見ると、市場はスマートフォン、ラップトップ/タブレット、ウェアラブルデバイス、コネクテッドカー、スマートホーム家電、車両追跡などに分かれています。
2022年にはコネクテッドカー分野が最大のシェアを占め、スマートフォン分野がそれに続きました。これらのチップにより、車両は複数の通信事業者に接続できるようになり、車両の目的地国の地域通信事業者の接続を選択できるようになり、コネクテッドカー市場を牽引しています。
とくにeSIM技術と5Gの融合が様々な産業分野に革新をもたらし、既存アプリケーションの品質向上に貢献しているとしています。コネクテッドカーや緊急通報システムの信頼性と柔軟なサービス向上につながりました。eSIMは、トラックや乗用車にセルラー接続、ロック解除機能、その他の機能を提供します。自動化分野において5G技術とeSIMを統合することで、セルラー接続、新たなモビリティ機能、自動化機能が提供され、より優れた顧客体験を提供できます。
さらにスマートウォッチやスマートグラスなどのウェアラブルデバイス今後大きく成長すると予測されています。AR/VRヘッドセット、スマートウォッチ、mHealthデバイスなどの高度なセルラー接続デバイスでは、組み込みSIM(eSIM)のサポートと管理がますます重要になっていくとしています。血糖値モニター、転倒検知器、心電図モニター、子どもやペットのトラッカーなどのデバイスなどで需要が増加しているようです。
レポート詳細
調査期間:2019~2032年(2023年基準年、2024年見積年、2032年予測)
セグメンテーションカテゴリ:用途別、業界別、地域別(北米、南米、欧州、中東&アフリカ、アジア太平洋)
Fortune Business Insights:Embedded SIM (eSIM) Technology Market
https://www.fortunebusinessinsights.com/industry-reports/embedded-sim-esim-technology-market-100372
名桜大学人間健康学部健康情報学科教授。’90年代から携帯電話端末のレビューやサービスの解説を行ってきた。携帯電話情報サイトの編集長などを務めた後、2009年に大学教員に転身。以後スマートフォンの社会での活用などを研究テーマとして活躍。現在は医療・ヘルスケア分野へのデジタルデバイスの応用を中心に研究に従事。携帯電話コレクターとしても知られる。