簡単購入、料金プランも多彩な日本の「eSIM-san」を中国で使う
多種多様なサービスが様々なプロバイダから提供されているeSIM製品のうち、今回は日本で展開している「eSIM-san」を中国・深センで使ってみました。ユーザー登録不要なので簡単に購入して使うことができます。なおテストに使ったスマートフォンは日本販売のiPhone 12 miniです。
目次
eSIM-sanの中国プラン
eSIM-sanは国別と地域別のeSIMを提供しています。エリアは日本人が渡航する一般的な国をカバーしているので困ることは無いでしょう。今回は中国で使うために中国のプランを使ってみます。
eSIM-san : https://esim-san.jp/
eSIM-sanのホームページ
中国の料金は674円から。1日あたりのデータ量上限がある「デイパス」、有効期限内で無制限で使える「無制限」、同じく有効期限内で指定容量が使える「期間容量」の3つのプランがあります。そしてそれぞれに1日から最大20日までの日数を組み合わせて購入できます。またeSIMを複数枚買うと割引になるキャンペーンも行っており、最大20%オフになるとのこと。eSIM 1枚ごとにQRコードが発行されるので、同じ国に何度も行く人は複数買うとお得です。
料金のすべてを網羅するのは大変なので一例を挙げます。なお期間容量プランは下記の4料金のみです。
・デイパスの例
500MB/日:1日674円、3日1105円、5日1531円・無制限の例
1日1278円、3日3089円、5日4900円・期間容量の例
1GB/3日1648円、1GB/7日1800円、1GB/10日1881円、3GB/10日2304円
ブラウザから購入、アプリは無し
では実際に購入してみます。スマートフォンをWi-Fi接続し、eSIM-sanのサイトにアクセス。検索窓から「中国」と入力して料金プランを表示させます。
目的地として中国を検索
プランと日数の選択は画面をタップするだけとわかりやすくなっています。複数枚購入の割引も表示されるので迷うことはありません。今回は日帰りのためデイパスの1日、2GB/日を選びました。
プランの選択も簡単だ
なお画面をスクロールしてeSIMの説明を読むと注意事項がしっかりと記載されています。日本語で表示され、しかも画面スクロールだけで見ることができるのも使いやすいと感じます。さらにネットワークとして現地キャリアの名前も明記されています。eSIMをインストールしてもつながらないとき、まれにサポートしていないキャリアに繋がってしまうこともあるのですが、ここに明記してあるだけでもトラブル解明がしやすくなります。あとは画面に従って支払いを済ませるだけです。
支払いまでのステップも少ない
実際に購入完了まで5分かかりませんでした。現地の空港に到着後、急いでeSIMを買う必要があるときなど簡単に買えるのはありがたいでしょう。一方メールが届くまで今回6分かかりました。他社の製品では即座にメールが来るものもあり、若干待ったかなという気もします。とはいえもしもメールが届かないときでも日本語でサポートを受けられますから、安心して使えそうです。メールが届いたらあとはQRコードからインストールすれば使うことができます。
購入までの時間はわずか、メールは6分で届いた
インストールの手順は特に悩むことはありません。データローミングをONにすることで通信が可能になります。
インストールが完了後、データローミングをONにする
速度はやや不安定ながら実用的なレベル
今回は中国の大型連休中に深センで使ってみました。電脳街として有名な華北路での通信速度は下り、上りどちらも10Mbpsを切るレベル。若干遅いもののSNSの利用は問題ありません。YouTubeなどの動画もスマートフォンであれば十分視聴することができます。観光客が多いこともあって回線が混雑している印象でした。
電脳街での速度
他のエリアで試したところ、下り速度は50Mbpsや20Mbpsなど、より高速になる場所もありました。速度差がエリアによってあったものの、つながらないということはありませんし、スマートフォンで使う分には問題ないレベルです。なおPCなどをテザリングで接続することもできます。
国境近くでは20Mbps程度の速度
これまで多くのeSIMを購入してテストして見ましたが、eSIM-sanは購入のステップが短いこと、料金プランが多彩な点が使いやすいと感じました。ドコモの新プランが今後海外で30GBのローミングが使えるようになるなど日本のローミングサービスも拡充していますが、他キャリアのユーザーには短期間プランもあるeSIM-sanは便利なサービスと言えるでしょう。
香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。