山根康宏のワールドeSIMレポート
2025年2月10日

薄さと軽さが特徴のAIスマホ「Galaxy 25」シリーズが日本にもやってくる

2025年の大型スマートフォン新製品として、サムスンから「Galaxy S25」シリーズが発表されました。日本でも2月13日から「Galaxy S25」「Galaxy S25 Ultra」の2モデルが発売されます。しかもドコモ、auだけではなく今回はソフトバンクからも登場。サムスンが直接販売するSIMフリーモデルと合わせると、様々な購入ルートが選べる買いやすいスマートフォンになりました。「Galaxy S25」シリーズはどんなスマートフォンなのか、実機を見てみます。

大画面なのに軽量、ペンも使えるAIスマホ「Galaxy S25 Ultra」

「Galaxy S25 Ultra」は6.9インチの大型画面を持つハイスペックなスマートフォンです。チップセットには現時点で最高性能を誇るクアルコムの「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」を搭載しており、動きの激しいハイエンドゲームも楽にプレイすることが可能です。スマートフォンとしての性能は国内でもトップクラスと言えます。。

6.9インチ画面を搭載する「Galaxy S25 Ultra」

カメラも高性能で、メインとなる広角カメラは2億画素。これだけの画素数があれば特に明るい日中の撮影では遠距離を拡大してもしっかりとディテールを写し出せるでしょう。望遠撮影に切り替えるのを忘れていても、後から拡大して十分美しい絵が得られるわけです。望遠カメラは3倍の1000万画素と5倍の5000万画素と、2つを搭載。ポートレート撮影は手軽に3倍で撮りつつ、5倍望遠はその高解像度を生かして最大100倍のデジタルズームも利用できます。さらに超広角カメラも5000万画素なので、ワイドから遠距離までを高画質カメラがカバーしています。

カメラ性能も国内スマホでトップクラス

大型ディスプレイを搭載するスマートフォンだけに、本体サイズが気になるところでしょう。「Galaxy S25 Ultra」は本体の厚みを8.2mm、重量は218gに抑えています。iPhone 16 Pro Maxなど他社のハイエンドモデルより薄くて軽いのです。またバッテリーは5000mAhと容量は一般的ですが、急速充電は45Wと高速になりました。さらに背面にマグネットで充電器やモバイルバッテリーを貼り付けできる「Qi 2.0」規格にもケースを付けることで対応、無線充電は25Wに対応しました。iPhoneで使われるMagSafe機器の多くも互換性があるので、周辺機器を共用できるのも便利と言えます。

大画面ながら薄型で軽量だ

「Galaxy S25 Ultra」の他のスマートフォンにはない大きな特徴は、専用の手書きペン「Sペン」が本体に内蔵できること。Sペンを使えばメモアプリに手書きメモを書いたりイラストを描くこともできます。生成AI機能を使えば、ラフなスケッチを清書して全く新しい絵を生み出すことも可能。ペンがあることで細かい作業も可能であり、AIスマートフォンとしての使い勝手も高められているのです。なおSペンは他社のスタイラスのように充電は不要で、本体から抜くとすぐに使うことが可能です。

収納式のSペンを内蔵できる

 

小型で使いやすいハイスペックスマホ「Galaxy S25」

「Galaxy S25」はディスプレイサイズを6.2インチと小型にしたモデルです。本体の厚みは7.2mm、重量は162gとこちらも薄型軽量に仕上がっています。それでいてチップセットは「Galaxy S25 Ultra」と同じ高性能な「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」を搭載、見た目は小さいものの本体の動きに関しては上位モデルと変わりません。今年購入しても数年間使い続けることも可能でしょう。なおサムスンはどちらのモデルも7世代のソフトウェアアップデートを保証しています。長期間使い続けられることも「Galaxy S25」シリーズの利点なのです。

片手でも楽に持てる「Galaxy S25」

「Galaxy S25」のカメラは広角が5000万画素、3倍望遠が1000万画素、超広角が1200万画素の3つを搭載しています。カメラのスペックは高性能モデルとしては合格点というところでしょうか。バッテリーは4000mAhで25Wの急速充電に対応、これらの性能は昨年モデルと変わっていませんが、本体の薄型軽量化という部分で進化が見られるわけです。また「Galaxy S25 Ultra」同様、「Qi 2.0」規格の無線充電に対応、こちらは15W充電となります。

カメラの性能は合格点

「Galaxy S25」と「Galaxy S25 Ultra」の特徴として発表会でも特に触れられていたのがエコな製品づくり。本体のリサイクル素材の利用も年々増えています。今回のモデルではその採用をバッテリーにも拡大。古いGalaxyスマートフォンの廃棄バッテリーからレアメタルであるコバルトを回収し、それを新品バッテリーに使用しています。リサイクル材料を購入するのではなく、自社製品から出た廃棄物を採用するという循環型のリサイクルシステムを採用しました。

サムスンのサステナブルの取り組みは業界でもトップクラス

一方、スマートフォンを楽しく使うためのケースもいろいろな種類のものが登場します。ハーシーズのチョコレートパッケージのケースや、クロックスのサンダル型ケースなどは日本でも発売される予定とのこと。クロックスケースは本物のサンダルのようにチャームを付けて楽しくカスタマイズできます。

クロックスケースは使うのが楽しくなる

 

両モデルeSIMに対応、デジカメを超える「Galaxy S25 Ultra」のカメラ性能

「Galaxy S25」シリーズは最新のスマートフォンだけあって、eSIMにももちろん対応しています。設定画面を見るとしっかりとeSIMの項目が見えるのがわかります。まあ最近のハイエンドモデルはeSIM対応が一般的なので、Galaxy S25シリーズが対応しているのも当然のことなのでしょう。

どちらのモデルもeSIM対応だ

さて「Galaxy S25 Ultra」のカメラは昨年モデルより広角カメラが高画質になっただけではなく、様々な部分が進化しています。特にAI機能が強化されたことで、様々なシーンに対応する写真はより美しく撮影できます。またAIアパーチャと呼ばれる機能は、デジカメのレンズのように絞りの値をソフトウェアで制御可能。ボケのある印象的な写真から、食事などボケたくない写真も綺麗に撮影できるのです。

2億画素のカメラを活用できる

動画撮影ではクリエーター向けともいえるLog撮影に対応。10Bit HDRなど画質を高めています。また夜間の動画撮影時もノイズをより抑えており、暗めの室内で動画を撮っても画質の劣化は気になりません。さらに後述するように動画撮影後も編集が簡単になっています。

動画撮影機能の向上も魅力だ

 

スマホの使い方を変えるAI機能の強化

「Galaxy S25」シリーズはスマートフォンとしての性能が高まっただけではなく、AI機能が大きく向上しています。「スマートフォンを生活アシスタントとして使う」ことが誰にでもできるようになりました。

その中で最も楽しく便利に使える機能を1つ紹介しましょう。冷蔵庫のドアを開けてカメラで写真を撮影し、「この食材で献立を教えて」と話しかけると、いくつかのメニューを表示してくれるのです。これはグーグルのAI「Gemini Live」をベースにした機能となっています。他にもレストランの英語のメニューを写して日本語に翻訳するだけではなく、そのまま「予算50ドルで料理を選んで」と、予算に応じたメニュー選択もできるのです。

冷蔵庫の食材からAIが献立を教えてくれる

AIの強化で毎日使うスマートフォンとの接し方も変わってくると思わせてくれます。朝起きてスマートフォンの画面を見ると、一番下に「おはよう」との表示がでます。これは「Now Bar」という通知画面。ここをタップすると1画面に今日の天気、今日のスケジュール、家を出発すべき時間など、その時間に必要な情報が一覧で出てくるのです。この機能を「Now Brief」と言います。今までならば天気アプリ、カレンダー、乗り換え案内とアプリをいくつも切り替える必要がありましたが、「Now Brief」を使えばその時間に必要なルーチンや情報をいちいち検索する必要もなくなるのです。

Now Briefがその時間に応じたルーチンを表示

写真や動画加工のAI機能も見てみましょう。写真背景の不要な部分を消去する消しゴム機能は、AIがワンタッチで不要な人物などを自動選択してくれるようになりました。人ごみの写真など消さなくてはならない不要なオブジェクトが多い場合、今まではそれらをいちいち全部選ぶ必要がありましたが、「Galaxy S25」シリーズなら一発で消去できるのです。

写真の背景に人が多く写っている(左)。AI編集でワンタッチ選択(中)。人がすべて消えた(右)

写真の消しゴム機能以上に便利な機能と思えるのが、動画のサウンド消しゴム機能。動画を撮影するとノイズが入ってしまうことがよくあると思います。風の音、背景の音楽、隣で話している人の声などです。「Galaxy S25」シリーズで動画を撮影した後は、Ai編集ボタンを押すと動画内のサウンドをソースごとに分離してくれます。そこから「風の音」だけをボリュームゼロにするとか、話し声だけのボリュームを50%増やす、といった操作が可能なのです。

動画のAI編集ではサウンドをソースごとに分離、それぞれの音量を調節できる

スマートフォンとしても高性能な「Galaxy S25」シリーズですが、AI機能の強化により「毎日使いたくなる便利なアシスタント」として十分役に立つコンパニオン製品に成長ました。2025年のスマートフォンは、Galaxy S25シリーズのAI機能をトレースした製品が次々と出てくることでしょう。

限定カラーも登場する。日本での発売が楽しみだ

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