山根康宏のワールドeSIMレポート
2025年1月14日

「ハナセル」のeSIMはアメリカの電話番号も利用可能、ラスベガスで使ってみた

アメリカで日本人向けのSIMサービスを長年提供している「ハナセル」は、データ通信だけではなく音声通話とSMSが利用可能なプリペイドeSIMを販売しています。今回、ラスベガス訪問に合わせて実際に購入して使ってみました。なお、スマートフォンは日本販売の「iPhone 12 mini」を使っています。

ハナセルの短期間用eSIM

ハナセルは月額制の「長期」サービスと、プリペイドの「短期」サービスを提供しています。このうち短期間用はeSIMのみ。どちらでもアメリカの電話番号が使えるのは便利でしょう。

ハナセルは長期(月額制)と短期のeSIMを販売

短期プランは7日、15日、30日の3タイプ。それぞれ5GB、10GB、20GBのデータ通信が利用できます。またアメリカ国内は電話がかけ放題。SMSは海外へも無料で使えます。一方でテザリングの利用はできません。

短期プランは3種類

オンラインでeSIMを購入、ログインIDを作成

ではeSIMを購入します。スマートフォンをWi-Fiに接続し、ハナセルのWEBページを開き、短期eSIMを選びます。

https://www.hanacell.com/

 

ハナセルのWEBページ

今回は7日用を選択しました。メールアドレスを入力し、「メール受け取り」にチェックを入れて、クレジットカード番号を入力していきます。

指示に従って入力していく

クレジットカード情報入力後、最終確認を済ませて支払いが終われば「お申込みが完了しました」のページとなり、オーダー番号も表示されます。

購入が完了すればオーダー番号が来る

オーダー後、メールを待ちます。数分で数通が届きました。その中の「My HanaCellオンラインシステムのログイン情報のお知らせ」のメールを開きます。このメールをスクロールしていくとパスワード設定のリンクが出てくるのでタップします。ブラウザが開き、パスワード設定画面となります。

メールが届いたら、パスワードを設定する

パスワードは英大文字、英小文字、数字を1つずつ含む8から32桁です。設定が完了したら、メールアドレスとパスワードでログインします。すると2段階認証が必要とのことで、再びメールアプリを開きます。

パスワード設定後、2段階認証が行われる

受信メールの「My Hanacellオンラインシステムへのログイン確認のお願い【重要】」を開くと、ログイン確認リンクが表示されます。ここをタップしてブラウザが開いたら「My HanaCellオンラインシステムへ」をクリックします。

2段階認証を済ませる

ログイン後開通申請し、eSIMをダウンロード

これで自分のアカウントページにログインできるのですが、eSIMがまだ開通されていません。オンラインでいつでもeSIMを購入できますが、使用開始する日を手動で設定できるわけです。画面をスクロールすると「SIMの開通を予約する」の枠があるのでタップ。次の画面で日付が出ているので、そこをタップして希望する日を選びます。

ログイン後、SIM開通手続きを行う

利用開始日の確認後、「送信する」をタップするとSIMの開通申請が行われます。再びアカウントページを見ると、ご契約回線の下に「開通申請中」と表示されます。

SIMの開通を待つ

SIMの開通はメールでも届きますが、アプリ画面からも確認できます。5分ほどしてログイン画面をリロードしたところ、ご契約回線の下に「開通」と表示が出ました。なおその下の「アメリカ短期eSIM 7日間」の下にある数字がアメリカの電話番号になります(頭の1はアメリカの国番号)。またその下に「eSIMのダウンロード」と表示されるので、タップ。QRコードが表示されます。

開通後電話番号が通知される。eSIMのQRコードも表示できる

QRコードを長押ししてインストールを始めます。このあたりは他のeSIMと同じです。最終的に「Ultra/Mint Mobile」のeSIMがインストールされましたが、これは大手キャリアT-Mobile回線を使うMVNOキャリアです。なお「旅行」など適当な名前でインストールされたので、手動で「ハナセル」に変更しました。

QRコードからのインストールは特別なものではない

WEBで管理可能、5G接続は快適

これでようやく使えるようになりました。Wi-FiをOFFにすれば、アンテナピクト横に5Gの表示が出ます。また画面を下にスクロールして「ご契約の詳細」をタップすると、契約内容が表示されます。

アプリは無いがWEBページでも十分見やすい

さらに下にスクロールするとデータ使用量が表示されますが、これは自動でアップデートされません。ここを開くたびに「データ使用量を更新」をタップすることで、最新のデータ使用量が表示されます。なおシステム側で表示されるデータ使用量とは大きな差はありませんでしたが、システム側のほうがやや少なく表示されるようです。

データ使用量は手動で更新する

ラスベガスの街中での使用感ですが、通信速度は冒頭の写真のように300Mbpsを超えることもあり十分快適です。下の写真では170Mbps程度ですが、150を切ることも無く不自由なく使うことができました。

通信速度は150から400Mbpsの間

現地電話番号が日本のローミングに対するメリット

ハナセルのeSIMの最大のメリットはアメリカの電話番号が使えることです。いまやメッセンジャーアプリで通話ができる時代ですが、仕事などでは現地の電話番号が必要なこともあります。また今回アメリカでオンラインでモノを買ったり、とあるサービスのアカウント登録を行いましたが、仮でもいいのでアメリカの電話番号が必要でした。

日本のSIMのローミングサービスでではアメリカの電話番号は利用できず、ビジネスなどで使うシーンが多ければこれはハナセルの大きなメリットになります。

アメリカの電話番号が必要なこともある

また海外へのSMS送信も可能なので、日本の電話番号にSMSを遅れます。たとえば友人とアメリカに来て、その友人が日本のスマートフォンの国際ローミングサービスを利用しても、データ通信ができず通話とSMSしかできないケースもあります。日本のMVNOキャリアの一部は海外でのデータ通信を提供していないケースもあるのです。「アメリカに来てみたらデータ通信ができないことに気が付いた、しかし付近に無料のWi-Fiも無い」なんて慌てている友人にも、こちらからSMSを送って連絡が取れるわけです。

ハナセルのWEBページを見ると、サービスを開始して17年の歴史があるとのことです。日本人向けのサービスのためページの説明もすべて日本語であり、動画もあるなどわかりやすく説明されています。また本サービスはアメリカのT-Mobile回線を使うことを明記しており、5Gスマートフォンであれば5Gにも接続可能。一般的なeSIMプロバイダのeSIM製品では現地回線の詳細がわからないこともあります。ハナセルのeSIMは音声通話を使いたい人にとって、安心して使えるのではないでしょうか。

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