NTT系のグローバルeSIM「Lesimo」をアメリカで試した
海外で使えるeSIMサービスの中から、今回はNTT系列(NTTメディアサプライ)が展開しているLesimo(ルシモ)をアメリカで使ってみました。
日本企業のサービスなので日本語で案内を受けられる安心感があります。今回も日本発売のiPhone 12 miniを使ってテストしました。
目次
①Lesimoの概要
LesimoはNTT西日本のグループ企業、NTTメディアサプライが2023年4月から提供する海外向けのeSIMサービスです。
サービス開始から数か月後の8月には値下げを実施、10月からはANAマイレージクラブと提携してマイルも溜まります。
またeSIMを消去や紛失してしまった時も、手数料がかかりますが(2024年3月時点で45%)再発行が可能なのは他社にはあまりないサービスです。
利用できる海外の国の数はLesimoのサイトを見ても公開されていないようですが、2024年2月時点で約80の国や地域に対応、日本人が旅行で渡航する主な国は大体カバーされると考えて良さそうです。
ヨーロッパやアジアのように、複数国にまたがるプランも用意されています。
Lesimoのサイトでは料金を検索もできます。渡航先の国の名前を入力し料金プランを確認できますが、会員登録を行いログインすると国の一覧が出てくるのでそちらから検索したほうが簡単かもしれません。
料金は日数や1日あたりのデータ量が細かくわかれており、無駄を少なく使えるようにしているようです。
②Lesimoをスマートフォンで購入
Lesimoを利用するには最初に会員登録が必要です。ゲスト利用はできません。またアプリは無いためブラウザを利用します。
Lesimoのサイトにログインすれば、アプリを使う感覚で使用できます。会員登録及びログインは以下から行います。今回はスマートフォン(日本発売のiPhone 12 mini)から行いました。
今回はアメリカ(ラスベガス)で現地到着後にeSIMを購入してみました。
以下の画像は左から右へ順番に進んでいきます。Lessimo会員ページを開いたのち、メールアドレスを入力、届いたメールから会員登録を行います。
会員登録が終わったらeSIMの購入が可能になります。
会員情報(ログインIDとパスワード)を入力してログインします。この際もメールに届く認証コードが必要です。
Lessimoのページにログインできました。ここから希望のプランを検索して選びます。
今回は「アメリカ・カナダ周遊)1GB/日 3日間」を選びます。
プランを選んだ後に、利用開始日の設定があります。この日はラスベガスが1月6日だったので、1月6日を選びました。
個数は1個。そして次に進もうとすると「利用開始日は今日以降の日付を指定してください」とエラーが出てしまいました。
ラスベガスは1月6日でしたが、時差の関係で日本はすでに1月7日になっています。つまりここに入力する日付は現地の日付ではなく、日本の日付を入れる必要があるようです。
この点はちょっと注意が必要です。改めて1月7日(ラスベガスは1月6日)を利用開始日として設定、すると決済画面に進みました。
画面の指示に従います。確認画面がややくどいと感じてしまいますが、購入ミスを防ぐために再確認を行っているのでしょう。
続いてクレジットカードで購入しますが、クレジットカードは一度登録が必要です。そのためまずはカード情報登録を行う必要があります。
2度目以降は不要になるのですが、ちょっと煩わしいと個人的には感じてしまいました。
クレジットカードの新規登録が終わったら、ようやく購入画面です。プランを再確認後、カードも確認、無事に購入完了となりました。
画面の表示を見ると「利用開始3日前にメールが届きます」と表示されていますが、購入したのは当日ですが、数分でeSIM情報を確認できました。
Leisimoの契約内容を再度確認します。14:58に購入が完了後、14:59に確認すると「契約中のプランがありません」と表示されてしまいました。
しかし15:01には購入したプランが表示されました。当日購入でも数分でeSIMが届くようです。
なお契約内容を下にスクロールすると、eSIMの登録情報(赤枠の部分、SIM-DP+アドレスとアクティベーションコード)が記載されています。この情報を使ってeSIMを登録しました。
iPhoneの設定画面からモバイル通信→eSIMを追加とすすみ、
「QRコードを使用」を選択、
次の画面で「詳細情報を手動で入力」を選び、
SIM-DP+アドレスとアクティベーションコードをそれぞれコピー&ペーストして入力します。
しばらくするとeSIMが登録されます。
画面には「中華電信」の名前が出ました。LeisimoのアメリカeSIMは、実は中身は台湾のキャリア中華電信のローミング回線を使っているものだとわかります。
もちろんこのことを気にして使う必要はありません。iPhoneは新規に追加されたeSIMには勝手に「個人」などの名前が付けられてわかりにくいので、Lessimoに変えておいた方がいいでしょう。
台湾のSIMなのでデータローミングをONにする必要があります。
モバイルデータ通信でLeisimoを選び、Wi-FiをOFFにすればアンテナピクトの横に「4G」の表示がされ、無事にデータ通信が可能になりました。
③ラスベガスでの使用感
さっそくラスベガスで使ってみました。繁華街であるメイン通りのストリップでは下り20Mbps前後、上り10Mbpsといったところでまずますの速度。
普通にSNSを使う分にはストレスは感じられませんでした。
場所を変えてみたところ、下りは最大で25Mbps程度まで出ることもありましたが、上りは最大でも10Mbpsを超えることはありませんでした。
カジノの奥などでは電波状況が悪く1Mbps程度しか出ないこともありましたが、これは現地の回線を使っていても同様でしょう。
なおアプリが無いためデータ利用量は設定画面のモバイル通信の「現在までの合計」で概算を見ることしかできません。
④日本からのローミングとの比較
Leisimoのアメリカの料金プランを見ると、1GBプランが3日から30日まで複数あり、またデータ容量別に5GB、10GB、20GB、30GBのプランがあります。
今回買った1GB 3日間は2431円。いっぽうドコモの海外ローミング「世界そのままギガ」は3日間で2480円、自分の普段つかっている契約容量がそのまま海外で使えます。
ドコモ、au、ソフトバンクの大手キャリアを契約している人はそのまま海外ローミングサービスを使ったほうがお得に使えそうです。
一方でMVNOキャリアをメインに使い、海外ローミングサービスが無いのであればLeisimoのeSIMを使うメリットは十分あるでしょう。
⑤まとめ。使い勝手はもうひと工夫が欲しい
Leisimoを使って感じたことですが、最初の購入の敷居がやや高いのが気になりました。
ユーザー登録が必要なのは仕方ないとして、クレジットカードを初期登録しなくてはならないのはやや面倒です。
またWEBページからすべての作業を行うためか、海外で使用中にLeisimoのページにログインするたびに認証コードがメールで送られ、それを入力するのもやや煩雑な作業と感じてしまいます。
ぜひ専用アプリを開発してもらい、アプリから簡単に購入やデータ容量が確認できるようになるといいなと感じました。
香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。