eSIM TIPS
2024年3月5日

マカオのプリペイドeSIMは購入と本人登録の難易度がやや高め

 

マカオの通信キャリアもeSIMを販売しています。しかし実際に購入してみたところ本人登録のところで思わぬ問題がおきてしまいました。また購入には日本(または海外)のスマートフォンで現地でSMSを受ける必要もあります。料金選択も若干わかりにくいなど、やや使いにくい部分もありました。代替となるeSIMも紹介します。

 

①マカオでeSIMを販売するマカオテレコム

 

マカオには通信キャリアが4社あります。このうちマカオテレコム(CTM)が最大のキャリアで、新しいサービスも率先的に導入しています。プリペイドのeSIMを販売しているのも現在はマカオテレコムのみです。ちなみに他の3社は香港キャリアの子会社2社と中国キャリアの子会社1社となっています。

 

マカオは海外からの渡航客が非常に多く、特に香港とは海上をまたぐ「港珠澳大橋」で結ばれており、バスでの所用時間は1時間弱程度。またフェリーも数多く運行されています。日本からマカオへ行く際はマカオ行きのフライトの数が少ないため、香港経由で向かうのが便利でしょう。また香港観光中に1日をマカオに当てるということも十分できます。

 

マカオでは海外からの渡航客向けに空港やフェリー乗り場にプリペイドSIMカードの自動販売機があり、24時間いつでも購入することができます。ただしeSIMは販売されておらず、マカオテレコムのホームページまたはアプリから購入することになります。そしてマカオのプリペイドSIMは本人登録を行わないと使えないため、eSIM購入時もスマートフォンにインストール後にパスポート番号などを入力して登録作業が必要です。

 

マカオ空港にあるプリペイドSIMカード自販機。eSIMは販売していない

 

ではマカオテレコムの販売するeSIMの料金を見てみます。マカオテレコムのホームページにもeSIMの案内が出ています。

 

マカオテレコムeSIM案内ページ

 

料金を見ると3つの料金プランがありますが、マカオで使う料金は下の図で緑色と赤色のものになりますが、ちょっとわかりにくいのが難点です。

 

緑色は「321 Data Card」で有効期限は30日。

  • ・188パタカ(約3300円) 18GB
  • ・288パタカ(約5100円) 28GB

 

赤色は「Chill Card」で有効期限は30日。

しかし100パタカ(約1800円)と200パタカ(約3500円)の料金だけで、詳細がわかりません。後でアプリからeSIMを有効化するときに判明したのですが、

  • ・100パタカ 12GB(90パタカがデータ料金、10パタカがマカオ内通話とWi-Fi無料)
  • ・200パタカ 20GB(190パタカがデータ料金、10パタカがマカオ内通話とWi-Fi無料)

となります。またマカオだけではなく香港と中国でのローミング利用も可能です。eSIMは180日間有効なので、30日が過ぎたら100パタカか200パタカを追加して使い続けることも可能です。

 

マカオテレコムeSIM料金

 

単純にマカオだけで使うなら321 Data Cardが向いていますが最低料金が高すぎます。マカオに日帰りや1泊程度なら10GBも使わないでしょうから、Chill Cardの100パタカで十分だと思われます。今回もこの料金を選ぶことにしました。

 

②アプリからeSIMを購入

 

それではマカオテレコムのeSIMを実際に購入してみます。手順は以下の通りです。ただし今回は本人登録のところでつまづいてしまいました。

  • 1.スマートフォンに日本(海外)のSIMを入れて回線をいかしておく
  • 2.現地でWi-Fi接続
  • 3.CTMアプリインストール
  • 4.プラン、料金を選択して支払い
  • 5.eSIMインストール、SIM設定を入れ替え
  • 6.本人登録
  • 7.アプリにログイン

まずマカオテレコムのeSIMをアプリから買う場合、スマートフォンが現地でSMSを受けれる状態にしておく必要があります。なおデータ通信は不要。マカオでローミングが受けられる状況にしておき、データローミングは必ずOFFにして(ONにすると高額な料金がかかってしまいます)、SMSの受信だけできる状態にします。

 

そしてスマートフォンは現地でWi-Fiをオンにしてインターネット通信ができる状況にしておきます。今回はマカオ国際空港の到着ロビーで作業しました。

 

 

マカオ空港でeSIM購入にチャレンジ

 

アプリは「CTM」で検索すればすぐに見つかります。以下のスクリーンショットでは所々で青い矢印でポイントも説明します。インストール後は左上のメニューボタンからAll Services→Prepaid Services→eSIM Serviceと進みます。

 

 

アプリインストール後、eSIM Serviceまで進む

 

画面にプランが表示されます。上記で説明したように赤い表示がChill Cardです。「Apply Now」をタップ、次の画面のSelect Categoryで「Chill Card」を選びます。次の画面に進むために、画面右下の「Confirm」をタップ。

 

 

Chill Cardを選ぶ

 

続いて「Select Card」で「$100 Chill Card」を選択。次に電話番号入力ですが、国番号を選び、そのあとにスマートフォンの番号を入力します。「国番号+電話番号」の場合は、自分の番号の頭の「0」を省きます。たとえば080-9876-1234なら「8098761234」と入力します。さらにメールアドレスも入力。そして青枠の「Send Verification Code」をタップします。

 

100パタカを選んで、電話番号とメールアドレスを入力

 

スマートフォンのSMSまたはメールに6桁のVerification Codeが受信されるので、その数字を最下段に入力してConfirm。次以降の画面でクレジットカードなどで支払を済ませます。

 

Verification Codeを受信して入力、あとかカードなどで支払う

 

この後はアプリからeSIMのインストールは出来ないので、メールで受信したQRコードまたはICCIDコードを使ってスマートフォンにeSIMを入れていきます。スマートフォン1台しか無い場合はICCIDコードを、ノートPCなどでQRコードを表示できるならQRコード入力がいいでしょう。なおLINEを使えばスマートフォンで受信したQRコードを直接eSIMインストール時に読み取れますが、その方法はまた今後説明します。

 

QRコードでのインストール方法はこちらの記事を参照してください

・シンガポールの空港でeSIM購入は注意、日本からの国際ローミングが手軽

https://esim.love/blog/2023/07/12/668/

 

ICCIDコードでのインストール方法はこちらの記事を参照してください

・1日単位で無駄なく買えるHISの世界対応eSIM「Trip SIM」を韓国で使ってみた

https://esim.love/blog/2023/12/25/1405/

 

インストール後はeSIMの名前をわかりやすいものに変更しておくといいでしょう。またここでスマートフォンにあらかじめ入っていた日本のSIMカード(またはeSIM)は、誤通信のないように念のためオフにしておくといいでしょう。そしてeSIMがインストールされるとすぐにSMSで案内も届きます。

 

QRコードかICCIDコードを使ってeSIMをインストール。eSIMの名前は手動でCTMに変更した。SMSでeSIMインストールの通知が届く

 

③本人登録で進めない場合はどうする?

 

さてここまでで出来たことは「eSIMの購入」です。続いて本人登録を行います。アプリのメニューのPrepaid ServicesからPrepaid Card Identity…へ進みます。次の画面で言語選択メニューでEnglishを選んだあと、注意ページ、そして登録するeSIM情報の入力画面になります。メールで届いたICCIDコードの番号を入力してSubmitをタップ。

 

メニューから登録へと進む

 

氏名を英語で入力、Chinese Nameは不要。性別と生年月日、パスポート発行国、ID TypeはPassport、そしてパスポート番号を入力して「Verification」をタップ。これで登録されるはずが、「この国またはIDでは登録できません」と表示されてしまいました。

 

本人確認情報を入力していくも、最後に登録できないと表示されてしまった

 

これがマカオテレコム側のエラーなのか、日本のパスポートが使えないのか理由はわかりません。一時的なエラーだったとしても、その場で登録できるかできないもしれないeSIMを先払いで買うのはリスクがあります。オンラインで登録できない場合はマカオテレコムの店舗に行かねばならず、せっかくのeSIMのメリットが活かせないのが残念です。このあたりはぜひ改善してほしいもの。

 

アプリで登録できないときは、マカオテレコムの店舗に出向くしかない

 

ひとまずここでは、アプリからそのまま登録できたものとして進めていきます。

 

次の画面で料金を選択。100パタカしか買っていないので100以上のプランは選べませんので90パタカ(+10パタカ通話、Wi-Fi無料は自動セット)を選択し、画面下のApply Nowをタップ。これでようやく12GB / 30日プランの購入が完了しました。なおSMSで電話番号も通知されます。「Your Prepaid Card 853XXXXXXXX」と、853で始まる番号がこのeSIMの電話番号です。853はマカオの国番号なので、マカオ内では853を除く8桁の数字を使います。ここでWi-Fiをオフにすれば、マカオテレコムの電波をつかんでいるはずです。なお繰り返しになりますが、日本で使っていた日本のSIMカードがオフになっていることをここで再確認してください。

 

料金を選んでようやく使える。電話番号はSMSで届く

 

あとはアプリでeSIMを管理しましょう。アプリのトップに戻り、「Login Now」をタップします。次の画面で電話番号を入力、真ん中のGet Codeをタップすると、SMSで4桁の認証番号が届くので、それをVerification Codeの欄に入力すれば完了です。実際のデータ使用量などが確認できます。

 

アプリログインでeSIM管理ができる

 

④マカオ市内は5Gで快速

 

手順が多いマカオテレコムのeSIMですが、マカオ市内での利用は快適でした。まずは空港で速度チェック。下り40Mbpsとまあまあの速さ。とはいえ空港は郊外なのでこの程度かもしれません。

 

空港での速度はまあまあ

 

空港から市内はライトレールを使ってみました。2019年に開業した目新しい路線です。2023年12月にはようやく大陸側まで路線が伸びました。まだ繁華街には直結していませんが、景色もいいので観光目的で乗るのもいいでしょう。

 

マカオライトレール

 

ライトレールの車両は幅が広く、窓も大きいので景色は壮観です。電波の鳶もいいようで、車内では近く700Mbpsを記録することも。快適な5G接続を体験できます。

 

ライトレール車内では672Mbpsだった

 

ライトレールの終点を降りてからバスで市街地へ向かいます。まずはセナド広場へ。12月だったのでクリスマスのイルミネーションもきれいでした。ここでの速度は842Mbpsと今回測定した中で最速でした。おそらく環境のいい場所へ行けば1Gbpsも出せそうです。

 

セナド広場は最速値を出した

 

そしてカジノホテルの1つであるリスボアへ。この付近も高速で604Mpbs。マカオは面積が狭いこともあり、市街地の5G環境は最高です。

 

リスボアホテルでも604Mbps

 

⑤香港キャリアのマカオeSIMも使いやすい

 

このようにマカオテレコムのeSIMはマカオ市内で快適な通信環境を提供してくれます。しかし日本のパスポートで本人登録ができなかったこと、購入の手順も料金を選ぶ必要があるなど使い勝手はあまり良くありません。

 

そうであれば、他の国で販売されているeSIMを使ったほうがいいかもしれません。以前も紹介した香港のChina Unicom Hong Kong(中国聯通香港)が、マカオ用のeSIMも販売しています。なお中国向けのeSIM体験記は以下の記事から。

 

「壁越え」必須の中国用eSIMは事前オンライン購入がお勧め

https://esim.love/blog/2023/08/14/898/

 

China Unicom Hong Kongのマカオ向けプリペイドSIMカードは「マカオ専用」「香港・マカオ」「香港・マカオ・中国」の3タイプがあります。このうちeSIMがあるのは「香港・マカオ・中国」版です。有効期限とデータ容量別に複数のプランがあります(180日、365日プランは割愛。

 

  • ・3GB / 3日 / 48香港ドル(約870円)
  • ・5GB / 5日 / 58香港ドル(約1100円)
  • ・7GB / 8日 / 88香港ドル(約1600円)
  • ・9GB / 15日 / 104香港ドル(約1900円)
  • ・12GB / 30日 / 120香港ドル(約2200円)

 

 

料金を比較すると3GBや5GB程度、滞在数日ならマカオテレコムのeSIMより安く済みます。また香港で使用しない分には本人登録も不要のようです。マカオでのeSIMはあえて現地キャリアを選ばなくてもいいかもしれません。

 

香港販売のeSIMのほうが使い勝手は高い

 

⑥日本からのローミングとの比較

 

日本からマカオに行くことを考えると、ahamoなら2970円の基本料金で最大20GB使えます。またドコモの世界そのままギガは24時間980円、2日間1780円、3日間2480円です。繰り返しますがマカオに滞在するパターンの多くは1日か2日など短期でしょうから、数GBもあれば十分事足ります。そうなるとマカオでeSIMを買う必要があるのは滞在がやや長い場合や、マカオの電話番号が必要といったケースになるでしょう。

 

マカオは自販機でプリペイドSIMカードを売るくらい、海外からの渡航者に自国のキャリアサービスを使ってもらおうと努力しています。今後はマカオの他のキャリアもeSIMを販売して価格競争を起こしてほしいものです。

 

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